第1話

文字数 3,018文字

今日は変な日だ。

部活の先輩が突然LIMEのメッセージを送ってくれた。

メッセージの内容は:「私、あなたのことが好きです。今すぐ!私の前に来て、返事をしてください!」とのことだ。

しかし、このメッセージすっごくあやしい。

先輩はある意味正直者だが、こんなメッセージ絶対送らない。

誰かに貸した?罰ゲーム?盗まれた?それとも、なりすまし?

いや、自分で考え込んでもしょうがない。確認する方法がある。

メッセージ通りに先輩の前に行けばいい。

「先生!僕はトイレに行きたいです!」

「ううん?おう、早くいけ。」

良し。今授業中だけど、自習だから、先生の裁定は緩い。スマホの使用もバレなければ大丈夫だ。

そして、これも一つ変なところだ。先輩がメッセージを送ってくれた時間帯は「授業中」だ。

僕のクラスならともかく、先輩は結構先生の文句を言ったことがあったのだ。

その中に、「スマホの使用」がその一つだ。

「クラスでは、スマホの使用は絶対ダメ。」

もしバレたら、一週間も先生のところに保管されるという。

一応考えたが、先生のいたずら……ではなさそうだ。でも先輩のいたずらなら……まあ、可能性は極めて低いけど。

とりあえず、確認しにいこう。

でも、その前に事前準備がしなきゃ。

僕は事前準備をし終わってから、先輩の教室にやってきた。

「失礼します!XX先輩がいますか。」

「え?」

「うん?君、どこのクラスだ?今授業中だぞ!」

先生だけでなく、先輩のクラスの全員に注目された。これ、プレッシャーが半端ないなぁ。

「すみません。演劇部の先生がXX先輩に用事があるって、今すぐ来いと言われました。」

少しの間、先生が携帯をいじった後、先輩の方に向けて、「……行け。」と言った。

「は、はい!失礼します!」先輩がちゃんとお辞儀をした後、教室から出た。僕も先輩が出た後、扉を閉めた。

僕らは出た後、廊下を通って、階段の近くに着いてから、一緒にほっとした。

怖っ……あれは絶対確認しているところだろう。事前に演劇部の先生と気脈を通じて良かった。演劇部の先生がお人好しだから、LIMEだけで連絡できる。

「もう、びっくりしたわ!何で私を呼び出したのよ!」

先輩は不満そうな顔で、少し乱れた長い黒髪をかきあげた。若干シャンプーの匂いが漂っている。

「先輩を呼び出した原因は、もちろんこれの返事です。」僕は先輩の反応を確認するために、わざとスマホのメッセージを先輩に見せた。

そしたら、メッセージの内容を見た先輩が一瞬止まったまま、次の瞬間顔がまるでリンゴのように赤面した。

「だだだっ誰だ!誰がこんなメッセージを?!」先輩は言いながら、力強く僕の襟を掴んで、前後に身体を揺り動かしている。

「せんせん、先輩、ちょっ、ちょちょっと、れれ、冷静に!」

でもこの反応から見たら、先輩が送ってないだろう。

「はっ、ごめん!でも、なんで?このメッセージ……いや!誤解しないでね!こんなメッセージ全然送ってないから!さっきの授業も見たよね!スマホをいじったら没収されるよ!」

やっと解放された僕は少し襟を調整しつつ、返事した。

「そのこと僕も分かっています。だから僕はここに来て、先輩に確認したいですよ。」

「そうか。でも、私は本当に送ってないよ!」

「だからもうわかっていますから!しかし、もし先輩が送ってないなら、このメッセージは誰が送ったの?このアイコンと名前、先輩のものですよね。」僕は言いながら、先輩に確認させる。

「え、ええ。そうだけど。」

何だろう、この腑抜けな返事。

「先輩、今先輩のアカウントはなりすましの可能性が結構高いですよ?もっと緊張感を持った方がいいでしょう。」

「仕方ないじゃない!今スマホも持っていないし!」

「先輩何を言っていますか?僕のスマホを使えばいいでしょう?」

「え?あ!」

「僕のアカウントをログアウトするから、先輩は自分のアカウントを確認してください。」

先輩はちょっとどうしようもないところがあるから、心配だな。

先輩はアカウント登録した後、顔が青ざめた感じで、僕を見ている。

「どうしました?」

「……ない!」先輩はすぐスマホを渡してくれた。

「私のアカウントにそのメッセージを送った記録がない!」

僕も早速チャットのログを見た。先輩の言った通りだ。メッセージを送った記録がない。

「確認ですけど、チャットのログはシンクロしていますよね?」

「ええ、そうだよ。」

資料の同期機能切ってない限り、別のところでログインしても、そのまま反映されるはずだ。

ふふっ……なんだ、これ。

これではまるで怪異事件じゃないか。面白い!

「何笑っているのよ!怖いよ!」

「ちょっと待て、一応、もう一度僕のアカウントを……」先輩のアカウントをログアウトして、自分のアカウントを登録する。

確認したら、やはり先輩のメッセージが残っている。

「ねぇ、怖いよ!本当にやめて!その笑い!」

「いいや、先輩。心配する必要はありません。全ての謎が必ず背後の原因がある!この謎、絶対解いて見せます!」

「は、はあ……」

「先輩、あまりやる気がないですね。」

「だって、なりすましだとしても、アカウントを変えればいい話でしょう……」

うっ、確かに。

「個人情報の安全なら、もっと適切な処置もあるし、別に謎を解く必要がないと思う……」

た、確かに……僕はちょっと興奮しすぎたか。

「しかし、先輩。やる気がやけに低いですね。」

よく思えば、さっき先輩がメッセージを見た後の反応、少し違和感が……

「な、何言っているのよ!やる気はもちろんあるわよ!ただ授業中で呼び出されたから、ちょっと心配しただけ!」

「そうですか……」

うん……やはりなんか怪しい。

「そんなことより、あんた授業は大丈夫か?結構長い時間が経ったわよ。」

「あ!そう言えば、僕の言い訳はトイレだった!戻らなきゃ先生に疑われる。」僕はすぐ階段を下りて、教室に戻ろうとする。

「ちょ、ちょっと!」先輩が僕を呼び止めた。

「え?」

「あの、その、返事は?あんたは最初、返事をしにきたんじゃないのか?」

「え?ああ……」そういえばそうだった。

「ごめんなさい。先輩。」

「……え?」

「僕はただ本当に先輩が送ったかどうかが確認したいだけです。別に返事するつもりはないです。誤解させて申し訳ございません!」

「……な、なんだ。そういうことか。」先輩若干落ち込んでいた。

「でも僕は先輩のことが好きですよ。」

この言葉を聞いて、先輩は突然ビクッとした。びっくりしたのか、それとも困ったのか。

少し臆病な僕は:「……学校の先輩としてね。」この言葉を後付けにした。

僕は先輩の気持ちがわからないから、言ったら困るかもしれない。先輩はある意味正直者だが、僕のことが好きかどうかわからない。

他人の気持ちなんて、簡単にわかるわけがない。

「ぐっ……何よ!びっくりさせないでよ!まったく!(つい信じちゃうじゃない……)」

「はは、ごめんなさい。」

「うるさい!そんな言葉、今聞きたくない!」

「ああ、じゃあ、“また部活で会いましょう”はどうですか?」

「……それがいい。」

「わかりました、では先輩、また部活で会いましょう。」

そして、僕は教室に戻った。

戻る途中、僕はやっと違和感の正体についてわかってしまった。

口口

「……しかし、なんで?なんで私が授業中でノートに描いた状況……そのセリフがそのままメッセージとして送っていたの?」

この先輩の気持ち、果たしていつ後輩に気付かれるだろう。これはまた、別の物語である。


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