第1話
文字数 419文字
もう何日目だろうか。
雨の続くこの町で、おもちゃ屋さんの軒を借り、じっと佇むこと二十日以上。
二十二日目までは数えていたが、ざぁざぁと降るこの雨を眺めているうち、そんなことはどうでもよくなっていた。
軒下からみる景色は変わらない。降りしきる雨のカーテンの向こう、子供の手を引く母親や、杖つく老人、ピザ屋のバイク。
皆どこかへ過ぎていった。
大きな町の片隅の、屋号も褪せたおもちゃ屋に、二十日以上もおかしな人物が立っていようと、だれも気にするものはいなかった。
店主でさえも六日目を過ぎたあたりでようやくこちらをチラとやり、そのままシャッターを閉めるのだった。
普通であれば不審者と、引き立てられても文句は言えぬが、一応こちらは雨宿り。雨宿りという大義があった。そんな寄る辺を胸にひとりじっと。
そもそも雨が一度もやまずに降りしきり。こんなことがあるだろうか?気にするものはいなかった。溜まった水は捌けきれず、道路に転がるゴミ屑がぷかぷか浮いて漂っていた。
雨の続くこの町で、おもちゃ屋さんの軒を借り、じっと佇むこと二十日以上。
二十二日目までは数えていたが、ざぁざぁと降るこの雨を眺めているうち、そんなことはどうでもよくなっていた。
軒下からみる景色は変わらない。降りしきる雨のカーテンの向こう、子供の手を引く母親や、杖つく老人、ピザ屋のバイク。
皆どこかへ過ぎていった。
大きな町の片隅の、屋号も褪せたおもちゃ屋に、二十日以上もおかしな人物が立っていようと、だれも気にするものはいなかった。
店主でさえも六日目を過ぎたあたりでようやくこちらをチラとやり、そのままシャッターを閉めるのだった。
普通であれば不審者と、引き立てられても文句は言えぬが、一応こちらは雨宿り。雨宿りという大義があった。そんな寄る辺を胸にひとりじっと。
そもそも雨が一度もやまずに降りしきり。こんなことがあるだろうか?気にするものはいなかった。溜まった水は捌けきれず、道路に転がるゴミ屑がぷかぷか浮いて漂っていた。