自分

　あなたはこんなことを思ったことはないだろうか。
　「自分は誰なのか？」
　

　この問いに答えがあるのか。これはないのである。


　例えば、スーツを着たサラリーマンを思い出していただきたい。
　彼、彼女はサラリーマンなのか。

　いや、違うであろう。
　では、一般人なのか。
　
　それも違うであろう。

　彼らは区切られた「あなた」だから、自分は誰にでもない。

　
　この問いに答えを出した人はいるのであろうか。

　これは、たくさんの人が出してきた。

　例えば、自殺してしまった人。

　彼らは自分を模索し、ありったけのステータスを貼り付け、周りを見渡して、

　捨ててしまった。

　残った一つをみて、絶望した。

　君は、この問いに答えられるであろうか。
　
　質問を変えよう。
　君はこの問いに答えるだけの勇気をもっているのであろうか。

　少なくとも、私は無理だと思う。
　耐えられない。
　目を背けるしかないのだ。

　じゃあ、いつまで？

　いつまで？

　
　答えを出した段階で私は死ぬのであろう。

　もう、生きてゆけなくなるときまで、だ。