この方法で犯罪激減！
文字数 1,098文字
――という訳ですね！
このように将来犯罪を犯しそうな人間に幼いうちに地獄を体験させることによって犯罪を減らそうというキャンペーンなんです！
う～む……
どうですか！？
素晴らしいでしょう！
とはいえ、このキャンペーンは地獄の協力無くしては成し得ません！
そこで発案者の私が貴殿に許可を取りに伺ったのです！
まぁ話の趣旨は分かった
ただ、こんなに上手くいくかなぁ
地獄にとっても悪い話では無いはずです
地獄は万年人手不足
しかしこのキャンペーンが成功すれば地獄に来る亡者は激減です！
私独自の計算によりますと
百年後には地獄に来る亡者の数は三分の一になっています
忙しい貴殿もようやく休暇が取れるようになるでしょう
ふむ……
始めの方は今抱えている亡者に加えこのキャンペーンの体験者を捌くことになりますから負担もあると思いますが、長い目で見れば良いことだらけなのです！
しかし、今度は天国が人員不足になるのではないか？
天国は地獄に比べ人手にも余裕がありますから！
何より天国に来る人間はここの亡者と違って手もかかりません！
それもそうか……
では、ご協力頂けるということで
そうだな
一先ずやってみるとしよう
善は急げ
明日から体験者を送り込みますのでよろしくお願いいたします！
何！？
それは幾らなんでも……っておい！
行ってしまった……
う～ん、何か嫌な予感がするなぁ……
始まった頃はてんやわんやの大騒ぎだったが
百年たって随分と落ち着いたな
はい
あの天使の言う通り、地獄に来る亡者の数は三分の一にまでなりました
こうして散歩をする余裕まで出来た
このまま数が減り続けるのであればいよいよ長期休暇も夢では無いな
閻魔様はずっと激務をこなしていらっしゃいましたから
海外にでも行かれては？
そうだなぁ
冥界のハデスの元にでも行ってみるかぁ
（あの時の不安はただの杞憂だったようだな）
ピュ――――
ドーン！
ん！？
何の音だ！？
た、大変です閻魔様！
天国から、次々に人間が落ちて来ます！
な、何ぃ！？
どういうことだ！
閻魔様！
天使から電話が来ています！
『あはは、すみませ～ん
やっぱ無理でした』
これはどういうことだ！？
『つまりですねぇ
地獄を体験させたことによって皆俗世では大人しくしてたんです』
『けど天国に来たらもう恐れるモノはねぇ！
ってな感じで大暴れなんですよ～』
『手に負えなくなっちゃって～
今ハンマーでたたき落としてるところなんです～』
『いや～本当すみませんでした
忙しいんで失礼します』
お、おい！
……切られた……
え、閻魔様……
……配置に戻れ！
仕事だ仕事！
は、はいいいぃぃぃ
