石田さんにフラれたけれど
文字数 1,900文字
昨日……
石田さんにフラれた。
高校1年生の時から2年間ずっと好きだったのに、OKをもらえる自信はあったのに、噛まないように発声練習して準備万端で告白したのに、フラれた。
どうして……? どうしてだ?
顔は中の上でしょ。
基本的に女性には優しいでしょ。
おっちょこちょいな所が可愛いでしょ。
やられたらやり返す男らしい部分もあるでしょ。
そんな僕が、どうしてフラれた?
僕は考えた。
理由はいったい何なのか?
なぜ僕は断られたのか……
考えた結果、たぶん、この3つの中のどれかだという結論に至った。
「もしかして、石田さん 宇宙人だとか……?」
宇宙人の石田さんは、高校卒業後自分の星に帰るのではないだろうか。
そうなったら、地球と宇宙、超遠距離恋愛になってしまう。
それに、地球に派遣されるってことは、ノーマル宇宙人なわけがない。宇宙人は宇宙人でもエリート宇宙人。ってことは星に帰った後も、勉強やら、肉体強化やらで忙しくなり、僕と会う時間が取れなくなる。
それを石田さんは分かっていた……
それだ、そうに違いない。
僕が断られたのは石田さんが優しい人だからだ。これは石田さんの優しさだ。僕のことが嫌いなわけじゃない、僕のことを大切に思っているからこそ、今 OKしたら僕に寂しい思いをさせることを分かっているから、断るという選択をしたんだ。
ありえる、十分ありえる……
なら簡単なことだ。
僕が、勉強や肉体強化、その星や宇宙人について学び、僕がその星で生活できるような人間になればいいだけだ!
「もしかして、石田さんのおじいちゃんが元
海賊王とか……?」
海賊王だぞ、海賊王。帽子を被ったそこらの平海賊とはわけが違う。仮に現役は退いていたとはいえ、海賊王だ。今だに海賊王の命を狙っているやつは多数いるだろう。数々の怨みや妬みを買ってきただろうし。
可愛い孫を守りたいと思うのは海賊王だって同じ。
そうなれば、きっと厳しい家訓や制約があるのではないだろうか。
「自分でお金を稼ぐまでは彼氏を作ってはいけない!」
「海賊王よりも強い人間でなければ、彼氏とは認めない!」
なんて家訓や制約があってもおかしくない。
恥ずかしいけど、今の僕は、海賊王に勝てる自信はない。じゃんけんなら誰にも負けない自信はあるけれど。
勿論、僕も石田さんもまだ学生だ、自分でお金を稼いでいるわけではない。
そうだ、それに違いない。
僕が断られたのは、石田さんが律儀な人で、家族思いだからだ。
石田さんは僕のことが嫌いなわけじゃない。家訓や制約を守っただけだ。これは断られたのではない。
「僕に強くなれ」っていうメッセージを送っていたんだ。
ありえる、十分ありえる……
なら、簡単なことだ。
僕が海賊王より強くなり、どんな敵が現れても石田さんを守れるような強い男になればいいだけだ。
「もしかして、石田さんは天使と人間のハーフとか……?」
天使のように可愛い人だと思っていたが、まさか本当に天使だったとは……
天使とは、皆をわけ隔たりなく幸せにする存在である。
だから、天使の石田さんは、「自分だけが幸せになってはいけない。まだ、幸せにするべき人がこの世にはたくさんいるの」
そう思ったのではないだろうか。
石田さんが僕の告白にYesと言うと、石田さんは幸せになってしまう。
僕が人を幸せにしかできない男だと分かっているから。
そう思い、断るという棘の道を選んだのではないだろうか。天使としての役目を全うするためにあえて。
石田さんは僕のことが嫌いなわけじゃない。好きだからこそ断ったのだ。
ありえる、十分ありえる……
なら、簡単なことだ。
僕も皆をわけ隔たりなく幸せにする存在の天使になればいい。天使と天使の交際なら何も問題はない。
そうだ、僕はフラれたわけでも嫌われているわけでもない。
今は、事情によって、まだ付き合えないだけで、きっと今後 OKをもらえる。
それが、4ヶ月後か3年後か10年後かは分からない。
落ち込んでいる暇はない。
そのためには、僕が石田さんにふさわしい男になる必要がある。
努力するべきことはたくさんあるけれど、心配しないで!
僕は、忍耐強い男だから。
石田さん……
僕はどんなことだって受け入れる準備はできている。
君が宇宙人だって気にしない。
君のおじいちゃんが元海賊王でも気にしない。
君が、天使と人間のハーフだって気にしない。
僕は宇宙人にだって、海賊王にだって、天使にだって認められる男になる。
だからその時にもう一度
「あなたのことが好きです。僕と付き合ってください」と……言わせてください。
石田さんにフラれた。
高校1年生の時から2年間ずっと好きだったのに、OKをもらえる自信はあったのに、噛まないように発声練習して準備万端で告白したのに、フラれた。
どうして……? どうしてだ?
顔は中の上でしょ。
基本的に女性には優しいでしょ。
おっちょこちょいな所が可愛いでしょ。
やられたらやり返す男らしい部分もあるでしょ。
そんな僕が、どうしてフラれた?
僕は考えた。
理由はいったい何なのか?
なぜ僕は断られたのか……
考えた結果、たぶん、この3つの中のどれかだという結論に至った。
「もしかして、石田さん 宇宙人だとか……?」
宇宙人の石田さんは、高校卒業後自分の星に帰るのではないだろうか。
そうなったら、地球と宇宙、超遠距離恋愛になってしまう。
それに、地球に派遣されるってことは、ノーマル宇宙人なわけがない。宇宙人は宇宙人でもエリート宇宙人。ってことは星に帰った後も、勉強やら、肉体強化やらで忙しくなり、僕と会う時間が取れなくなる。
それを石田さんは分かっていた……
それだ、そうに違いない。
僕が断られたのは石田さんが優しい人だからだ。これは石田さんの優しさだ。僕のことが嫌いなわけじゃない、僕のことを大切に思っているからこそ、今 OKしたら僕に寂しい思いをさせることを分かっているから、断るという選択をしたんだ。
ありえる、十分ありえる……
なら簡単なことだ。
僕が、勉強や肉体強化、その星や宇宙人について学び、僕がその星で生活できるような人間になればいいだけだ!
「もしかして、石田さんのおじいちゃんが元
海賊王とか……?」
海賊王だぞ、海賊王。帽子を被ったそこらの平海賊とはわけが違う。仮に現役は退いていたとはいえ、海賊王だ。今だに海賊王の命を狙っているやつは多数いるだろう。数々の怨みや妬みを買ってきただろうし。
可愛い孫を守りたいと思うのは海賊王だって同じ。
そうなれば、きっと厳しい家訓や制約があるのではないだろうか。
「自分でお金を稼ぐまでは彼氏を作ってはいけない!」
「海賊王よりも強い人間でなければ、彼氏とは認めない!」
なんて家訓や制約があってもおかしくない。
恥ずかしいけど、今の僕は、海賊王に勝てる自信はない。じゃんけんなら誰にも負けない自信はあるけれど。
勿論、僕も石田さんもまだ学生だ、自分でお金を稼いでいるわけではない。
そうだ、それに違いない。
僕が断られたのは、石田さんが律儀な人で、家族思いだからだ。
石田さんは僕のことが嫌いなわけじゃない。家訓や制約を守っただけだ。これは断られたのではない。
「僕に強くなれ」っていうメッセージを送っていたんだ。
ありえる、十分ありえる……
なら、簡単なことだ。
僕が海賊王より強くなり、どんな敵が現れても石田さんを守れるような強い男になればいいだけだ。
「もしかして、石田さんは天使と人間のハーフとか……?」
天使のように可愛い人だと思っていたが、まさか本当に天使だったとは……
天使とは、皆をわけ隔たりなく幸せにする存在である。
だから、天使の石田さんは、「自分だけが幸せになってはいけない。まだ、幸せにするべき人がこの世にはたくさんいるの」
そう思ったのではないだろうか。
石田さんが僕の告白にYesと言うと、石田さんは幸せになってしまう。
僕が人を幸せにしかできない男だと分かっているから。
そう思い、断るという棘の道を選んだのではないだろうか。天使としての役目を全うするためにあえて。
石田さんは僕のことが嫌いなわけじゃない。好きだからこそ断ったのだ。
ありえる、十分ありえる……
なら、簡単なことだ。
僕も皆をわけ隔たりなく幸せにする存在の天使になればいい。天使と天使の交際なら何も問題はない。
そうだ、僕はフラれたわけでも嫌われているわけでもない。
今は、事情によって、まだ付き合えないだけで、きっと今後 OKをもらえる。
それが、4ヶ月後か3年後か10年後かは分からない。
落ち込んでいる暇はない。
そのためには、僕が石田さんにふさわしい男になる必要がある。
努力するべきことはたくさんあるけれど、心配しないで!
僕は、忍耐強い男だから。
石田さん……
僕はどんなことだって受け入れる準備はできている。
君が宇宙人だって気にしない。
君のおじいちゃんが元海賊王でも気にしない。
君が、天使と人間のハーフだって気にしない。
僕は宇宙人にだって、海賊王にだって、天使にだって認められる男になる。
だからその時にもう一度
「あなたのことが好きです。僕と付き合ってください」と……言わせてください。