プロット

文字数 916文字

起)地味で何も取り柄がないことがコンプレックスの13歳、目黒花。中学に入り、「おいしい和菓子が食べられそうだし、地味な私でも迷惑にならなそう」という理由で、茶道部に体験入部に行く。すると、そこには顧問の先生と揉めるチャラそうで怖いヤンキー、飛龍アスカの姿があった。二年生で、茶道部の部員のアスカは「こんな部活辞めてやる」と暴れていたが、なぜか顧問や他の部員たちに引き留められており、渋々残るようだった。波乱の予感を感じつつも、「茶道」とアスカに興味がわいた花は、入部してみることにする。

承)花はお手前のやり方、所作などを先輩から学ぶうち、「気遣いができて、所作が丁寧でいいね」と褒められるようになる。何も取り柄がないと思っていた自分にも長所があったのだと発見して喜ぶ花。しかし、ちょくちょく茶室に顔を出しにくるアスカは花をよく思わず、あるとき花の前で「完璧なお手前」を見せつける。実はアスカは有名な茶家の家元の息子で、幼いころから茶道を身につけさせられていたのだった。そんなアスカのことを、他の部員たちはずっと尊敬していたのだ。いつの間にかアスカに勝手にライバル視され、気まずくなる花。

転)文化祭シーズンが近づき、茶道部は「出し物の部門でお点前をやって、お客さんから票を入れてもらって1位を取ろう」という目標を立てる(この学校では文化祭で文化部が部活ごとに競い合い、順位を決める)。着物の準備など、楽しく進めていた花たちだったが、文化祭当日に茶碗が大量に割れてしまうアクシデントが起きる。必死で立て直そうとする花たちにアスカは心を動かされ、家元の父にかけあって新しい茶碗を借り、その場を乗り切る。花とアスカは協力してお客さんの前でのお点前を成功させ、文化祭で1位をとる。

結)家元の父の厳しい稽古のせいで、茶道が嫌になり最初は部活をやめようとしていたアスカ。しかし、花の「楽しく、みんなでお茶をやる」という姿勢を見て、彼は茶道に楽しく向き合えるようになった。花も自分の「優しく、気遣いができる」という面を茶道によって発見し、自分に自信をつける。年度がかわり、アスカは部長を引き受けることとなった。花とアスカの茶道部生活はまだまだ続く。

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