計算高いカナリア

文字数 456文字

日野は廃小屋から出て森にいる。
食べるものがなく、食べ物があるかを嗅ぐ。
そのまま力が付きそうになった時、中年男性が居座っている。
焚火で温めている。
「おや?お前は?」
日野は自身の紙切れを中年男性に渡す。
「日野か。お前も温まってみるか?」
日野はそれどころではない。鳥籠にあるものが気になっている。
「鳥籠か?私の相棒だ。待っていてくれ」
中年男性は鳥籠に被っている布を外す。
「この子は鳥島ひろ子だ」
日野は鳥島をおいしそうな目で見る。よだれとともに舌を垂らす。
「日野」
日野は男性の声に気づいて血相を変える。
「この子と仲良くしてくれよな」
日野はうなずく。
夜、日野は中年男性が寝る時間合わせを見計らう。
「おやすみ…」
日野は寝巻で寝た男性の目を盗んで鳥島を食べようとこっそり近づく。
鳥島のいる鳥かごの布を外す。
日野は腹を満たそうと試みるもカギはかかっていて開かず、無理やり開けようと揺らす。
鳥島は日野に揺らされて目を覚ます。
「日野、なんで無理やり起こすのさ?」
鳥島は日野に目掛けて木槌で叩く。
日野は鳥島からの攻撃に命中してもがく。
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登場人物紹介

《日野 晴(ひの・はる)》

主人公。猫の少年。

不幸体質であらゆる災難に見舞われながらも奮闘している。

獲物を捕まえて食べたためしはほとんどない。

それほどしゃべらない。

《鳥島 ひろ子(とりしま・ひろこ)》

カナリアの少女。

自分好きで計算高い。

日野は彼女を捕まえようとするが、返り討ちに遭わせる。

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