第1話

文字数 1,135文字

1 プロット
起)中学2年の夏、主人公の少女ユウは両親の離婚により母の実家がある田舎に転校することになった。転校先の学校は一学年20名ほどの小さな学校。何事も一番でなければならないと父に教え込まれてきたユウは、新しい学校でも一番になるべく意気込む。しかしクラスメイトたちは向上心の感じられない仲良しグループだった。特に入部した女子ソフトテニス部のクラスメイト5名は、夏の大会で惨敗したばかりだというのに練習に打ち込む様子もない。それにも関わらず顧問は「テニスっていうのは、フランス語で『掴む』こと。ボールを落とさないように、みんなで手を取り合って頑張ろう」と言う。

承)定期テストや体育大会、部活の練習試合でも「ただの馴れ合い」にしか見えない振る舞いをするクラスメイトたちに、ユウは不満を募らせていく。一方で、クラスメイト達もひとりやる気が空回っているユウにいらだっていた。クラスメイトの少年クロと、部活も同じコンだけが、ユウに優しく接していた。二人は、クラスメイトそれぞれの性格や家庭の事情をそれとなくユウに伝えるが、一番を目指すことが普通であるユウにはうまく伝わらない。二人の気遣いに気が付かないユウは、次第にクロに惹かれていく。

転)ある日、休日にクロとコンが仲良く公園で話しているところを見たユウは、二人が付き合っているのだと誤認し、ショックを受ける。その後、試合直前の部活の日、ユウは相変わらずやる気が感じられない部員たちにいら立ち、力任せに打ったサーブを部員にぶつけてしまう。それをきっかけに口論がおき、先生たちが必死で止める事態になってしまった。その夜、家族会議が開かれる。

結)家族会議で両親の離婚理由が「ユウに一番を強制する父の姿が、ユウ自身のためにならない」からだと知ったユウは、部員やクラスメイト達に謝りに行く。なんとか和解できた女子テニス部は、地区大会の日を迎えた。
初めての大会は初戦敗退に終わったが、ユウたちは全員が頑張れる目標を設定し、次の大会に向けて励むことにした。「テニスっていうのは、フランス語で『掴む』こと。ボールを落とさないように、手を取り合って頑張ろう」顧問の言葉が「勝利を掴め」という意味ではないということに気が付くユウだった。

2 あらすじ
父の教育により、一番でなければ意味がないと教え込まれた少女ユウ。両親の離婚により母の母校へ転校したユウは、向上心を感じられないクラスメイトにいらだっていた。クロとコンに助けられ衝突を避けてきたが、ある日、部活中に力任せに打ったボールが部員に当たってしまい、口論になってしまう。その日の家族会議で母は父の教育から離すために離婚したことや、クラスメイトたちの事情を知ったユウは全員に謝罪し和解をする。
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