第4話 「空人」の文化
文字数 2,141文字
「空人」のコミュニケーションと文化について紹介します。
●コミュニケーションの手段
「空人」のコミュニケーションの手段は、「テレパシー」、「歌」、「舞」です。
我々との会話の際には、基本的にテレパシーが使われました。
彼ら同士の会話には、テレパシーも使われますが、その他に音声(彼らは「歌」と呼んでいます)やジェスチャー(彼らは「舞」と呼んでいます。)も使われます。
●コミュニケーション1(テレパシー)
異星人である我々との会話の際には、基本的にテレパシーが使われました。
翻訳など不要なため、速やかに意思疎通ができました。(我々が用意した翻訳装置は、活躍の場を失いました。)
テレパーシーによるコミュニケーションでは、しばしば「影」と呼ばれる彼らの疑似ボディが現れます。
「影」の姿は、我々と同じようなサイズや形をしていました。そのため、最初は、我々と同じくらいのサイズのヒューマノイド型生物と思ったほどです。しかし、「影」は、我々がコミュニケートしやすくするために我々自身が作り出している姿であることがわかってきました。
もしも、訪問した異星人が四足歩行の生物ならば「影」も四足歩行の生物の姿を象ったことでしょう。
彼らの本体は、驚くほど小さいものでした。(詳細は、「空人の生態」を参照のこと。)
テレパシーは、彼ら同士のコミュニケーションにも使われているようです。ただし、テレパシーでの会話は、見た目では確認できません。
●コミュニケーション2(歌:発声)
「歌」と呼ばれる音声によるコミュニケーション手段もあります。
歌には、音程とリズムがあります。
彼らの歌を我々が聞くと「フィーフィー」「フギーフィー」「ファォーフォー」といった感じに聞こえます。
一度だけ、彼らの歌の意味を尋ねたことがあります。
「フォーの風の強い日、ファウァーの森の緑がざわめきたっているので、スーリュフープに気をつけよ。フォーの風が穏やかなフェルフになったら、アルスバンの丘に行け。キルムスとザルグスクに出会えるかもしれない。」
一所懸命訳してもらいましたが、訳しきれない単語も多く、内容は理解できませんでした。
訳した結果にも詩のようなリズムが感じられました。
歌うのは、「成体」もしくは「成熟体」で、「幼体」は、歌わないようです。
「幼体」は、歌を覚える時期なのではないかと思います。あるいは、「幼体」は、発声機能が未熟なのかもしれません。
●コミュニケーション3(舞:ジェスチャー)
「舞」と呼ばれるコミュニケーション手段は、我々の知るところのジェスチャーやダンスに近いものです。ファミリーで連なった状態で舞が行われるので、ラインダンスのようにも見えます。
「舞」のみが単独の場合もありますが、「歌」とセットになっている場合が多いようです。
以下に紹介する「ヒストリー(歴史)」を語る場合は、「歌と舞」が必ずセットになっています。(ヒストリーでは、テレパシーは使われていません。)
●文字文化がない
「空人」は、雲から生まれファミリーで連なって生活しています。(「空人」の誕生については、「空人の生態」を参照のこと。)
特定の文字や建造物などは、持っていません。
空中を漂って生きているのですから、それらのものを持ちようがありません。
実は、「空人」の祖先は、何らかの文字文化を持っていて、建造物的なものも作っていたと伝えられています。
しかし、「文字や建造物など人工的なものは自然を壊す。自然を壊せば自分たちも壊れてしまう。」と彼らは考え、現在では、そのようなものは、捨ててしまったということです。
●ヒストリー(歴史もしくは神話)
彼らには、我々のような時間の概念がありません。しかしながら、「過去」「現在」「未来」といった認識は、あるようです。
そのため、歴史上の出来事は、みな昔話のように「ロングロングアゴー」となります。
そんな彼らのヒストリーは、風の流れや雲の形、空に輝く星の並びに記憶されています。
「歌と舞」という形で語り継がれています。
彼らは、その歌と舞を「歴史もしくは神話」と呼んでいます。
「歴史もしくは神話(ヒストリー)」を語る場合は、「歌」と「舞」は、必ずセットになっています。我々で言うところの雅楽や歌舞伎やミュージカルのような感じです。
伝承の際にはテレパシーも使われるようですが、語り継ぎの際にはテレパシーは使われません。
風の流れや雲の形、空に輝く星の並びに記憶されるというのは、我々が知るところの「星座の神話」に似ています。「星座の神話」は、星空を見上げ、特徴的な星の並びに神様や英雄の姿を思い描き、それにまつわる物語を伝えます。
彼らの場合も同じで、星の並びや雲の形から神々や英雄の姿をあるいは何らかの事象を連想し、それを出発点に物語を伝えています。
複数の「歴史もしくは神話」が伝えられていますが、時間の概念が不確かなので、ストーリー同士のつながりが混乱していて、時系列に並べようとすると矛盾が生じます。
「物語が矛盾しているのではないか?」と問うと彼らは「エッセンスが重要」と答えました。
正確に話を伝えることはたいして重要ではなく、それよりも教訓(彼らは「エッセンス」と呼んでいます)を伝えることが重要だと彼らは考えているようです。
●コミュニケーションの手段
「空人」のコミュニケーションの手段は、「テレパシー」、「歌」、「舞」です。
我々との会話の際には、基本的にテレパシーが使われました。
彼ら同士の会話には、テレパシーも使われますが、その他に音声(彼らは「歌」と呼んでいます)やジェスチャー(彼らは「舞」と呼んでいます。)も使われます。
●コミュニケーション1(テレパシー)
異星人である我々との会話の際には、基本的にテレパシーが使われました。
翻訳など不要なため、速やかに意思疎通ができました。(我々が用意した翻訳装置は、活躍の場を失いました。)
テレパーシーによるコミュニケーションでは、しばしば「影」と呼ばれる彼らの疑似ボディが現れます。
「影」の姿は、我々と同じようなサイズや形をしていました。そのため、最初は、我々と同じくらいのサイズのヒューマノイド型生物と思ったほどです。しかし、「影」は、我々がコミュニケートしやすくするために我々自身が作り出している姿であることがわかってきました。
もしも、訪問した異星人が四足歩行の生物ならば「影」も四足歩行の生物の姿を象ったことでしょう。
彼らの本体は、驚くほど小さいものでした。(詳細は、「空人の生態」を参照のこと。)
テレパシーは、彼ら同士のコミュニケーションにも使われているようです。ただし、テレパシーでの会話は、見た目では確認できません。
●コミュニケーション2(歌:発声)
「歌」と呼ばれる音声によるコミュニケーション手段もあります。
歌には、音程とリズムがあります。
彼らの歌を我々が聞くと「フィーフィー」「フギーフィー」「ファォーフォー」といった感じに聞こえます。
一度だけ、彼らの歌の意味を尋ねたことがあります。
「フォーの風の強い日、ファウァーの森の緑がざわめきたっているので、スーリュフープに気をつけよ。フォーの風が穏やかなフェルフになったら、アルスバンの丘に行け。キルムスとザルグスクに出会えるかもしれない。」
一所懸命訳してもらいましたが、訳しきれない単語も多く、内容は理解できませんでした。
訳した結果にも詩のようなリズムが感じられました。
歌うのは、「成体」もしくは「成熟体」で、「幼体」は、歌わないようです。
「幼体」は、歌を覚える時期なのではないかと思います。あるいは、「幼体」は、発声機能が未熟なのかもしれません。
●コミュニケーション3(舞:ジェスチャー)
「舞」と呼ばれるコミュニケーション手段は、我々の知るところのジェスチャーやダンスに近いものです。ファミリーで連なった状態で舞が行われるので、ラインダンスのようにも見えます。
「舞」のみが単独の場合もありますが、「歌」とセットになっている場合が多いようです。
以下に紹介する「ヒストリー(歴史)」を語る場合は、「歌と舞」が必ずセットになっています。(ヒストリーでは、テレパシーは使われていません。)
●文字文化がない
「空人」は、雲から生まれファミリーで連なって生活しています。(「空人」の誕生については、「空人の生態」を参照のこと。)
特定の文字や建造物などは、持っていません。
空中を漂って生きているのですから、それらのものを持ちようがありません。
実は、「空人」の祖先は、何らかの文字文化を持っていて、建造物的なものも作っていたと伝えられています。
しかし、「文字や建造物など人工的なものは自然を壊す。自然を壊せば自分たちも壊れてしまう。」と彼らは考え、現在では、そのようなものは、捨ててしまったということです。
●ヒストリー(歴史もしくは神話)
彼らには、我々のような時間の概念がありません。しかしながら、「過去」「現在」「未来」といった認識は、あるようです。
そのため、歴史上の出来事は、みな昔話のように「ロングロングアゴー」となります。
そんな彼らのヒストリーは、風の流れや雲の形、空に輝く星の並びに記憶されています。
「歌と舞」という形で語り継がれています。
彼らは、その歌と舞を「歴史もしくは神話」と呼んでいます。
「歴史もしくは神話(ヒストリー)」を語る場合は、「歌」と「舞」は、必ずセットになっています。我々で言うところの雅楽や歌舞伎やミュージカルのような感じです。
伝承の際にはテレパシーも使われるようですが、語り継ぎの際にはテレパシーは使われません。
風の流れや雲の形、空に輝く星の並びに記憶されるというのは、我々が知るところの「星座の神話」に似ています。「星座の神話」は、星空を見上げ、特徴的な星の並びに神様や英雄の姿を思い描き、それにまつわる物語を伝えます。
彼らの場合も同じで、星の並びや雲の形から神々や英雄の姿をあるいは何らかの事象を連想し、それを出発点に物語を伝えています。
複数の「歴史もしくは神話」が伝えられていますが、時間の概念が不確かなので、ストーリー同士のつながりが混乱していて、時系列に並べようとすると矛盾が生じます。
「物語が矛盾しているのではないか?」と問うと彼らは「エッセンスが重要」と答えました。
正確に話を伝えることはたいして重要ではなく、それよりも教訓(彼らは「エッセンス」と呼んでいます)を伝えることが重要だと彼らは考えているようです。