回転の先

文字数 269文字

夜の真ん中に
落とし穴を掘って
君の写真を忘れないように

回転の先
回転の先
回転の先

無数の雨が
落ちるその
一瞬一瞬の
ふとした何気ない光景に
ときおり涙が溢れてくるほどの喜びを感じる
 ことがある

それは生まれてきた意味が
生きていく意味が
見つかったかのような
そんな一瞬の雨を
眺めているぼくの横に
きみがいたからだと
夜、思い出した

くさび形の朝
真夜中に掘っていた落とし穴には
やっと笑顔になった
きみの写真が
今でも
まばゆいだけの昼間がやってきた今でも
埋まっているのだろうか

一度きり
一度きりの
刹那の繰り返し
「泣いている暇なんて
 たまにあればいい

回転の先
回転の先
回転の先
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