第１話

起)
　舞台はキャト大陸、キャトランド王国。ここはネコたちのネコたちによる世界。
　キャトランド王国一の都メオウが、復活した大魔王ゴロニャーガに支配された。王宮は呪われ、民は静まり返り、作物は枯れてしまった。王族は一人の姫を除いて囚われてしまった。
　王都の危機も及ばない田舎の村に住む少年ネコの主人公ルパは、気持ちだけは勇敢で、いつか父のように世界を冒険する日々を夢見ていた。しかし、村の仲間で臆病者のチル、頭脳明晰のシルバ、のろまで力持ちのプフラと退屈な日常を過ごす日々が続いていた。
　ある日、川で遊んでいたルパたちは、記憶喪失の少年ネコのナイルに出会う。ルパは仲間とともに、父から譲り受けた錆びた剣と虫食い地図を携え、ナイルの記憶を取り戻す旅に出る。

承)
　王都へ向かう途中、ルパたちはトラ族兵の待ち伏せに遭う。命からがら逃げた先は禁忌の地『ネコじゃらしの森』。森の中でルパたちはネコじゃらしの誘惑に負けそうになるも、謎の旅ネコのアレンと出会い助けられる。
食料が尽き、地図を頼りに向かった先はネズミの国、チュウ王国。ネズミたちから食料を盗むつもりが、ネズミたちの攻撃を受けてしまう。ここも何とか切り抜けた一行だったが、再びトラ族兵の攻撃を受け、崖から海へ落ち、ルパは剣と地図を失い、仲間も散り散りになってしまう。

転)
　海賊船に拾われたルパ、シルバ、ナイルの三匹。海賊船の船長は伝説の悪党バンバだった。バンバはルパたちの誰か一匹を差し出せば他の二匹は残すと言う。三匹全員自分が残ると名乗り出たのに感心し、ルパたちは釈放される。そして、かつてルパの父もこの船に乗っていたことやその仲間にアレンがいたことを知る。
　海に落ちた衝撃で記憶が戻ったナイル。その正体は、キャトランドの姫のリアンだった。急ぎ王都へ向かいたいリアンと、チルとプフラを探したいルパたちが対立してしまう。
　王都へ必ず向かうことを誓い、バンバの情報をもとにヤマネコの国シンラへ向かった一行は、山に住まう怪物を倒しプフラの救出に成功.。しかし、そこにチルの姿はなかった。

結)
　チル捜索を泣く泣く断念した一行は王都へ向かった。王都にかかった呪いはさらに強くなっていた。勇気を振り絞り、小さい体を生かした戦法でトラ族兵を倒したルパたちは、王宮の最上階へと向かう。
　そこで待ち受けるのは大魔王ゴロニャーガ。杖から繰り出される邪悪な炎魔法に成すすべがなく、全滅しかけてしまう。もうダメかとあきらめかけた時、チルがルパの剣を持って現れた。一行の友情の力でついに抜けた剣は、かつてルパの父が大魔王を追い払った勇者の剣だったのだ。ルパたちは大魔王を倒し、キャトランドに平和な日常が戻った。