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文字数 1,298文字

新井くんの前世はネコ! …らしい?

【起】
 小学五年生のハルカは、お母さんと二人暮らし。友だちと遊ぶのも我慢して、お母さんの喫茶店を手伝う親孝行な子だ。だけど付き合いが悪いせいで、クラスではちょっとはれもの扱い。内気な性格もあって周りと上手に付き合えないけれど、「しょうがないか」とあきらめている。
 ある日、ハルカのクラスに転校生がやってくる。名前は新井くん。都会的でかっこいい雰囲気にクラスはざわめいたけれど、自己紹介で「ぼくの前世はネコでした」と言ったために、いっきに変わり者認定されてしまった。

【承】
 新井くんはハルカのとなりの席になった。
 どう対応しようかと困惑しつつ「しょうがないか」とあきらめたハルカだけど、新井くんはふつうに親切な人だった。転校初日のインパクトもあり、ヒソヒソ噂されるようになったけれど、本人は気にした様子もなく毎日学校に通っていて、ハルカは見習わなきゃと思う。
 新井くんとよく話すようになったハルカ。お母さんの喫茶店のそばに地域ネコがいることを教えると、新井くんがネコに会いたがったので連れて行ってあげた。すると新井くんは大喜び。驚いたことに、新井くんはネコの言葉が分かるみたいだった。

【転】
 ネコの力を借りて、ネコ同士のけんかを仲裁したり、落とし物の持ち主を探したり、お母さんのお店にお客さんを連れて来たりする新井くん。その不思議な魅力にハルカはすっかり夢中になる。新井くんも地域ネコに会うために喫茶店に通ってきていて、自然と一緒に下校するようになった。
 新井くんとたくさん話をするうち、「本当はもっと友だちと遊びたい」という気持ちを明かしたハルカ。新井くんに「それ、ちゃんとお母さんに言った方がいい」と言われ、思い切ってお母さんにも打ち明けてみた。すると、お母さんはハルカに甘えてたことを反省して、新しいアルバイトを雇うことを検討してくれる。
 ハルカは「しょうがない」って言葉が口癖になっていた自分を反省し、もっと周りと関わっていこうと決める。しかしクラスの女子に「男子と遊ぶ方がいいんでしょ」と言われてショックを受ける。新井くんと一緒に帰るところを、見られていたのだ。
 同時に、喫茶店の方でも問題が発生。アルバイトの面接に来ていた人がお母さんに睡眠薬を盛って、店の売上金を持ち逃げしたのだ。

【結】
 絶対に許せない、と、犯人を捜すことにしたハルカたち。犯人を見ていたネコたちの証言をもとに犯人を追いかける。途中、集まって遊んでいたクラスの女子に遭遇し、気まずい思いをしたハルカだが、「しょうがない」と言ってる場合ではない。正直に事情を話して、何か分かったら教えてほしいと依頼する。
 すると、クラスメイトのひとりが、ネコたちの証言した人相によく似た人とすれ違ったと言いだす。その情報を頼りに追跡すると、ついに犯人を発見。問い詰めるも、ハルカは犯人に突き飛ばされそうになる。
 そこに決まる、新井くんの見事なドロップキック。さらに新井くんと友だちになったたくさんのネコたちが犯人を取り囲み、いっせいに威嚇。おののいた犯人は捕まり、二人は無事お金を取り返すことができた。
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