十六歳の影絵

[学園・青春]

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2件のファンレター

「僕らは街の影にすぎない。この影絵を〈再演〉するのが、演劇なのではないでしょうか」
ゴヤの有名なエッチング作品、『理性の眠りは怪物を生む』を巡る十六歳の僕の挿話。

*表紙はPicrewさんでつくりました。

ファンレター

「私小説」の煌き

「私小説家は一生かけて長い自伝を書く」という意味のことを、かつてある昭和作家が書きましたが、るるせさんが時折描く「私小説」は、そういう長編の一部のように感じられます。
もちろん、一篇ずつ完結した短編として、とても面白いのですが、その背後に、そういう伝統的な私小説の系譜に連なる「根」が張っているような気がします。
16歳という年齢特有の「暗い煌き」が魅力的でした!

返信(1)

僕って、小説を自分で書こうと思ったきっかけは中島らもさんの小説を読んだことによるのですが、らもさんはエッセイなどで「自分」を書くのが好きな作家でもあった(中島らもさんの私小説にあたる作品では『今夜、すべてのバーで』が秀逸です)。そして僕は、私小説が好きで、自分で書くなら私小説だな、と思って、書き始めた初期から純文学を書いていた人間でした。今ではいろんな小説を書くようにはなったけれども、私小説も書いていきます。来月、純文学の新人賞を逃しているのを確認したら、新連載として、28000文字くらいの作品を連載というかたちでNOVEL DAYSに出します。タイトルは『いばら姫』で、私小説作品です。今後、私小説も書いていきますのでよろしくお願います。
「暗い煌き」……嬉しいなぁ。私小説の伝統は、もちろん意識していて、それなりにたくさん読んできたので、自分が書くときの判断基準も、あります。私小説の楽しさも、みんなに知ってほしいなぁ、と思っているので、頑張りますよー!!