始まることのない世界のはじまりへ R18

作者 環F

地球の周回軌道上にあるハッブル宇宙望遠鏡が銀河系の周縁に超新星爆発を捉えたころのこと――
次々と殺される暴力団関係者。現場は凄惨を極め、血の海に浮かんだ死体のなかで原形をとどめているものなど一つもなかった。徹底的に人体を破壊するという目的だけが達成された現場だった。
こんなことをできる奴は一人しかいない――シバガキだ。
三年前に対立組織を壊滅させるため、ナチスの秘術によってその肉体に悪魔を宿らせた男。
シバガキは復讐を果たすため精神病院を脱走してこの街に帰ってきた。
二メートルを超える巨体にコンバットナイフを携え、その暗い欲望のままに人を斬り刻んでいく、その怪力でひねり潰していく。たとえ銃弾の雨を浴びせられようと、無数の刃に貫かれようと誰もシバガキを止めることは出来ない。
それはあの時の姿そのままだった。
そんなシバガキを追う一人の青年、彼が撮影したシバガキの映像は世界を駆け巡り、それが一つの終わりの合図のようになった。
シバガキの黒い影は増殖し世界を覆い始める。
それと呼応するように新たなナチスの秘術も試される。
地獄の扉は開かれた。
止まらない暴力の連鎖、街のあらゆるところで強奪やレイプや殺人が行われる。まともだと思っていた警察官さえ、市民の目を気にせずショットガンをぶっぱなす。
炎を上げて落ちる飛行船、その周りには翼を生やした黒い影があった。
伝説のユタ、FBI心霊捜査官、中学生サイキッカー、9091と呼ばれる超一流の殺し屋、スカトロマニアの国会議員、呪物コレクターのヤクザの組長、グロでゲロを吐く大学教授――
全てを巻き込んで事態は混沌の中に落ちていく。
赤い月の下、明日なき若いギャングのカップルが崩壊する街をバイクで疾走する。
全ての絶望を希望に変えて――
この街で一番高いビルの屋上でテロリストが核爆弾のボタンを押したころ、
この街で最底辺の売春婦エリカは天使を見た。

――世界の終わりの群像劇

ファンレター

気に行って読ませて戴いてます。

突然すいません。初めて読んだときから、面白くて気に入って読ませて頂いております。
続きが凄く楽しみです。個人的な感想ですが、ミステリアスな感じで終わるので、次回が毎回凄く楽しみです。

返信(1)

この作品を読んでくださり、ありがとうございます。
中盤にさしかかった物語はスピードを上げ、世界を広げながら進んでいきます。
明日からは22時ごろにアップしていく予定です。
楽しんでいただければ、これほどうれしいことはありません。多謝

環F