第3話

文字数 560文字

 GW山場。10年、僕は何をやっていたんだろうか?山を歩いて集めたきのこや山菜を売るのは儲かるし、最近は苔も採れば売れるから、通年で稼ぎに事欠かない。山が僕に文字通り恵みを与えてくれている。そしてその体験や知識を売るガイドも出来る。この山里の魅力を知ってもらって移住促進に役立って地域に貢献しながら家族を養う、その為の宿泊を中心に据えた多様性のあるリゾート事業。そのとっかかりとしての飲食、な、筈だった。
 けれども自信がないまま高額なお代を請求出来ずにその飲食での提供内容は狂しく深化していった。

 天然真鴨とハクビシンのガラ出汁の山菜鍋からツキノワグマロースのしゃぶしゃぶに花山椒。

 コノシロ酢じめ、炙りカワハギ肝のせ、トリ貝、アラの握り4かん。

 熊、ハクビシン、ヌートリアの七輪焼き。

 ニタリくじら赤身の刺し身。

 山菜天ぷら。

 ミンチに叩いたハクビシンに実山椒の塩漬け、行者にんにく、ノビルで仕立てて仕上げに花山椒をたっぷり乗せる清内路豆腐と炊き上げ魚沼産こしひかりのミニ麻婆丼。

 不安も歓喜も飲み込んで、そんな食材と料理たち。

 はたして君は、酒を飲まずに居れるだろうか?
 確かに僕は依存症だ。けれどもどうにもこうにも難しいんだ。

 10年かけて、ただ酒を飲んじゃう言い訳を作ってしまったのかもしれないね。

 お疲れさま。
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