何処にでもいる男

文字数 686文字

 私の名は、僕の名は・・・。
う〜ん、年齢から言って俺にしよう。
もう大学4年だから私にするか、これから就活もある事だし。と言う事で。名前は佐藤雄二と言う。まあ、在り来たりだ。
そう私は在り来たりな男だ。
 良く、テレビドラマなどで、例えば葬儀屋、旅行代理店、新聞記者。その他の者が、警察の捜査に参加すると言うのがあるが・・・。
ああ、探偵ね。探偵が犯人を捕まえたなんてのは小説だけの話、聞いた事もない。

 つまり日本の警察は、捜査機密を決して捜査員以外に教えたりしない!
つまり参加は出来ないのだ。
まあ、一般公募で情報提供と言うのがあるが。
最近は指名手配以外には有り得ない。
危ないから・・・。
 だが私は、ひょんな事から警察に出入りする事となった。

 それは・・・。
私は見た目が地味で、一般的だ。良く警察への目撃情報で、こう言うのがある。
 『中肉中背、20代から30代。黒い上着、紺のスラックス。短髪、男性』
はい、私の背格好にドンピシャです。
だから事件が起きると、必ず職務質問される。
 この間など、大学から家まで3度止められる、だけならまだ良いが。
一度などはコンビニ弁当買って。そのまま交番に連れ去られたのだ。
私のあだ名は、『連れ去られ魔』だ。

 交番のお巡りさんも笑いながら、
「またあんた?」
と言う程だ。だが手配書とドンピシャなので、一応聞いとくか、と私は交番に良く連れ去られる。最近は、お茶だけではなく。私の好きな、コーヒーを淹れてくれて。ああ、モカですね。センス良いですね、好きですよ。何て世間話から入る程だ。
 多分、私は普通の民間人の、一生分の交番に行くを、既に消化していると思う。
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