第102話 ★天使のささやき

文字数 407文字

 猛と買い物中の僕。
ラーメン美味かったねぇ。兄ちゃん
美味かったなぁ
じゃあ、次は食料品の買いだしだよ。兄ちゃん、荷物持ってね
わかってるよ
言っとくけど、ほとんど兄ちゃんの胃袋に消えるんだからね?
かーくん。かーくん。

こっちだよ

(ん? あれは……)
 歩きながら小銭を見つける僕。

 二メートル手前。

(あっ、丸いもの。小銭だ)
わかってるよ。だから、毎回、つきあってやってるんだろ
 小銭ロックオン。

 一メートル手前。

ラーメン代、払ってるの僕だからね?

(あの色なら十円だなぁ)

家計にぎってるのが、かーくんだからだろ? 兄ちゃんに、もっと小遣いくれたら奢ってやるよ
 前を歩く猛、素通り。
お小遣い、欲しい?
えっ? くれるのか?
ああっ、行かないで!

かーくん。こっち。こっち。

ここにいるよ〜!

 ゼロメートル地点。

 ランデブー!

 素早く拾う僕。

はい。十円
…………
はい。拾いたてホヤホヤだよ?
やっぱりいいよ……
だよね。僕の天使(小銭)ちゃん♡
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登場人物紹介

東堂薫(かーくん)

京都五条の町屋で兄の猛と蘭さんといっしょに暮らしている。アパレルショップ店員。

東堂猛(兄)

顔も頭も運動神経もいいけど、ちょっと残念なほどのブラコン。

九重蘭

絶世の美貌の友人であり、同居人のミステリー作家。

男ですよ。

三村鮭児(みむらけいじ)

大阪の友達。ときどき遊びに来る。

ミャーコ

うちの愛猫。猛になつかない。蘭さんが大好き。三村くんを敵だと思っている。

真顔の蘭さん

得体の知れない何か

得体の知れない何か2

ちゃるちゃる

長年、愛されるおサルのぬいぐるみ

得体の知れない何か3

トラ

オウム

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