連綿と断続的に続く段差を、人は「階段」と呼ぶのではないのでしょうか

文字数 521文字

例えば文字を書くにしたって、
同時に二画は一緒に書けない。

書けるのは常に【一画】ずつ。


その一画は時に「止め」も「跳ね」も「払い」もしますが、
そのどれもが「文字」という【表現】を表す上で欠かす事の出来ない【要素】であって、

失ってはいけない【一面】なんです。



その【一画】が一本でも抜けたなら、
表現一つ出来なくなる。

思い描く表情一つ、表したい感情一つ、
届く事が出来なくなるのかも分からない。




様々な【一画】や【一面】を併せ持つ事で、
それらが互いに守り、補い、支え合い、引き立て合う事で、

文字も人も個性を持ち響きを持ち、

味わいを持って量感を増すのだとも思うんです。




成長とは、常に【一段】の繰り返しです。



目の前にせり出す台の数は一段だし、
振り出せる足は【一本】ずつ。




足元に突き出した段差は近くで見れば【支障】であり【躓き】なのかも知れませんが、


遠くから眺めてみた時に、
それは常に断続的に続いている事に気付く筈です。

この断続的に続く段差を、
人は「階段」と呼ぶのではないのでしょうか。




「躓き」とは、すなわち階段の一画です。

「成長する」とはつまり【行き詰まり】に遭う事です。



そして「行き止まる」とは、

この段差を登る為の【考える時間】に出会えるという事なんです。

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