ミッキー迷子事件
文字数 2,252文字
娘が白黒の仔猫を拾って来ました。
ブチ猫とも言うべきですが、背中が真っ黒、お腹が真っ白というパターンで、調べてみると「タキシード猫」という言葉があるそうです。
だからこの仔はブチ猫というよりも、タキシード猫と言うべき猫です。
そして私はこの仔に、「ミッキー」と名付けました。
私は以前、ミッキーという名のブチ猫を飼っていました。
いや、私はそのミッキーとは、親友でした。
私にとってそのブチ猫のミッキーは、あまりに偉大な猫だったし、だからプロ野球の永久欠番みたいに、「ミッキー」は永久欠番ならぬ永久欠名にしようかとも思い、それでその白黒猫の名をいろいろ考えました。
だけどやっぱり、白黒かち割れの仔には、「ミッキー」という名前しか浮かびません。
だからこの仔の名も、やっぱりミッキーにしました。
それで、そのブチ猫のミッキーに出会ったいきさつは、次の話で書きます。
さて、娘が拾って来た小さなミッキーの方の話の続きです。
娘がこの仔に出会った経緯はこうです。
街で、駐車してあるトラックの下から仔猫の声がしていて、するとトラックの運転手が車体の下をのぞき込みながら、棒のようなもので、車輪の辺りを豪快につついていました。
何だかその棒で仔猫を串刺しにして殺し、そして引きずり出そうという雰囲気がぷんぷんだったそうです。
それで娘が「ちょっと待って下さい」と言って、その棒でそっとおびき出すようにすると、白黒の仔猫がみゃ~と出て来たそうです。
早速うちへ連れて帰り、そこで私が、
「え~~~~! また猫ぉ~~~~?」と言って、だけど早速洗って、乾かして、餌を食べさせて、とりあえずその夜は布を入れた箱に入れ、そのままお風呂で過ごさせました。
うちのお風呂は換気がいいし、寒い季節でもなかったので、そこで一晩寝かせる事にしたのです。
そして次の朝、猫部屋へ連れていき、先住さんたち一匹一匹のあいさつをさせてから、とりあえず猫部屋に置いてあったケージに入れようとしたのですが、その前にケージと、それからどうせならと、猫部屋全体にも掃除機をかけました。(これは日課です)
だけどよほど掃除機の音が恐かったのか、ミッキーはおろおろと逃げ回っていました。
だけど私は構わず掃除を続けました。さっさと掃除、済ましちまおうと思って。
それにうちは完全室内飼いだから、猫部屋からは、猫は出られないはずです。
わかめ迷子事件のような特例を除き。
だけど掃除機をかけ終わってから探しても、ミッキーの姿が見当たりません。
実はうちの猫部屋は、猫土間という場所にも猫ドアで続いていて、そこはトレリスで覆われていて、もちろん猫は庭に出られません。
もっともそれから数年後、わかめはトレリスの天辺と屋根の間の4cmの隙間から脱走したのですが…もちろんその隙間はその直後、速攻で塞ぎました。
だけど生後2カ月程のミッキーがそんな高い所へ行けるはずもなく、でも考えてみたら、トレリスのひし形の隙間から脱走?
そう考え、それで庭を探しましたが、やっぱりいません。
おかしい!
仔猫のミッキーが、庭の塀を越えられるはずもないのだけど…
で、やっぱり猫部屋? と思ってキャットランドやソファーもひっくり返して見てもやっぱりいません。
猫部屋にはカワイのピアノもあるのですが、ピアノの裏に首を突っ込んでのぞいてみてもいても、やっぱりいませんし、ピアノの上のフタも開けて、ピアノの弦の間? と思って見てみても、やっぱりいません。
それでも念のため、驚いて出てこないかと、ピアノをばぁ~~~~~~ん!!!と鳴らしてみたけれど、やっぱりミッキーは出てきません。
とにかく探しても探しても探しても、どこにもいません!
(あ~あ、ミッキーいなくなっちゃった。たった一晩しか面倒見てあげられなかったね)
とても悲しかったです。
だけどめげずに、近所にビラを配ったり、そしてもちろん近所じゅうを探し回ったのですが、やっぱりミッキーの手ががりは全くありません。
それで私はとても落ち込んでいましたが、そうこうしているうちに夕方の食事の時間になり、他の猫たちにからからとキャットフードを与え始め、猫部屋に猫たちの「ごは~~ん♪」という空気が漂い始めた、まさにそのとき、ピアノがみゃ~みゃ~と仔猫の声を出し始めました。
どう聞いても仔猫、それもミッキーです。
そしてミッキーがピアノの後ろから、しっぽを立てて、とことこと出てきました。
「ごは~ん♪」という空気を読んで、そそくさと出て来たのです。
(ピアノの裏は捜したのに!)
どうやらミッキーは、ピアノの裏にある、くぼんだ場所に潜んでいたのでした。
掃除機の音が怖かったミッキーは、ピアノをばぁ~~~~~~ん!!!のときも、きっと震えながら、そのくぼみに潜んでいたのでしょう。
ところでピアノって、多分音の為に、裏側はとても複雑な形をしているのです。だから小さなミッキーは、そのくぼんだ場所に、すっぽりと隠れていたようです。
それからミッキーは育って6キロほどになりました。
もう大きくて、そのくぼみには入れませんが、今でもピアノの裏がお気に入りです。
ブチ猫とも言うべきですが、背中が真っ黒、お腹が真っ白というパターンで、調べてみると「タキシード猫」という言葉があるそうです。
だからこの仔はブチ猫というよりも、タキシード猫と言うべき猫です。
そして私はこの仔に、「ミッキー」と名付けました。
私は以前、ミッキーという名のブチ猫を飼っていました。
いや、私はそのミッキーとは、親友でした。
私にとってそのブチ猫のミッキーは、あまりに偉大な猫だったし、だからプロ野球の永久欠番みたいに、「ミッキー」は永久欠番ならぬ永久欠名にしようかとも思い、それでその白黒猫の名をいろいろ考えました。
だけどやっぱり、白黒かち割れの仔には、「ミッキー」という名前しか浮かびません。
だからこの仔の名も、やっぱりミッキーにしました。
それで、そのブチ猫のミッキーに出会ったいきさつは、次の話で書きます。
さて、娘が拾って来た小さなミッキーの方の話の続きです。
娘がこの仔に出会った経緯はこうです。
街で、駐車してあるトラックの下から仔猫の声がしていて、するとトラックの運転手が車体の下をのぞき込みながら、棒のようなもので、車輪の辺りを豪快につついていました。
何だかその棒で仔猫を串刺しにして殺し、そして引きずり出そうという雰囲気がぷんぷんだったそうです。
それで娘が「ちょっと待って下さい」と言って、その棒でそっとおびき出すようにすると、白黒の仔猫がみゃ~と出て来たそうです。
早速うちへ連れて帰り、そこで私が、
「え~~~~! また猫ぉ~~~~?」と言って、だけど早速洗って、乾かして、餌を食べさせて、とりあえずその夜は布を入れた箱に入れ、そのままお風呂で過ごさせました。
うちのお風呂は換気がいいし、寒い季節でもなかったので、そこで一晩寝かせる事にしたのです。
そして次の朝、猫部屋へ連れていき、先住さんたち一匹一匹のあいさつをさせてから、とりあえず猫部屋に置いてあったケージに入れようとしたのですが、その前にケージと、それからどうせならと、猫部屋全体にも掃除機をかけました。(これは日課です)
だけどよほど掃除機の音が恐かったのか、ミッキーはおろおろと逃げ回っていました。
だけど私は構わず掃除を続けました。さっさと掃除、済ましちまおうと思って。
それにうちは完全室内飼いだから、猫部屋からは、猫は出られないはずです。
わかめ迷子事件のような特例を除き。
だけど掃除機をかけ終わってから探しても、ミッキーの姿が見当たりません。
実はうちの猫部屋は、猫土間という場所にも猫ドアで続いていて、そこはトレリスで覆われていて、もちろん猫は庭に出られません。
もっともそれから数年後、わかめはトレリスの天辺と屋根の間の4cmの隙間から脱走したのですが…もちろんその隙間はその直後、速攻で塞ぎました。
だけど生後2カ月程のミッキーがそんな高い所へ行けるはずもなく、でも考えてみたら、トレリスのひし形の隙間から脱走?
そう考え、それで庭を探しましたが、やっぱりいません。
おかしい!
仔猫のミッキーが、庭の塀を越えられるはずもないのだけど…
で、やっぱり猫部屋? と思ってキャットランドやソファーもひっくり返して見てもやっぱりいません。
猫部屋にはカワイのピアノもあるのですが、ピアノの裏に首を突っ込んでのぞいてみてもいても、やっぱりいませんし、ピアノの上のフタも開けて、ピアノの弦の間? と思って見てみても、やっぱりいません。
それでも念のため、驚いて出てこないかと、ピアノをばぁ~~~~~~ん!!!と鳴らしてみたけれど、やっぱりミッキーは出てきません。
とにかく探しても探しても探しても、どこにもいません!
(あ~あ、ミッキーいなくなっちゃった。たった一晩しか面倒見てあげられなかったね)
とても悲しかったです。
だけどめげずに、近所にビラを配ったり、そしてもちろん近所じゅうを探し回ったのですが、やっぱりミッキーの手ががりは全くありません。
それで私はとても落ち込んでいましたが、そうこうしているうちに夕方の食事の時間になり、他の猫たちにからからとキャットフードを与え始め、猫部屋に猫たちの「ごは~~ん♪」という空気が漂い始めた、まさにそのとき、ピアノがみゃ~みゃ~と仔猫の声を出し始めました。
どう聞いても仔猫、それもミッキーです。
そしてミッキーがピアノの後ろから、しっぽを立てて、とことこと出てきました。
「ごは~ん♪」という空気を読んで、そそくさと出て来たのです。
(ピアノの裏は捜したのに!)
どうやらミッキーは、ピアノの裏にある、くぼんだ場所に潜んでいたのでした。
掃除機の音が怖かったミッキーは、ピアノをばぁ~~~~~~ん!!!のときも、きっと震えながら、そのくぼみに潜んでいたのでしょう。
ところでピアノって、多分音の為に、裏側はとても複雑な形をしているのです。だから小さなミッキーは、そのくぼんだ場所に、すっぽりと隠れていたようです。
それからミッキーは育って6キロほどになりました。
もう大きくて、そのくぼみには入れませんが、今でもピアノの裏がお気に入りです。