10頁

文字数 604文字

 すると、駐車場の前の空き地に、ヘリコプターが下りてきた。
俺達の車の前に駐車場をまたいで下りると。

「乗れ!!」

と乗組員が大声で叫んだ。
警察の人も、何が何だか分からない様だが。
兎に角、俺を引っ張り降ろすと4人で、ヘリコプターに乗った。
 軍用のヘリコプターには、何とテレビでしか見たことがない、総理大臣が乗っていた。
 ヘリは全速力で都心から離れていった。
すると総理が、

「君かね、首都を壊滅させた犯人は。
助ける義理は無かったんだがね。警察無線が聞こえてね、容疑者逮捕とね。
その側を飛んでいたので、どうしても会いたくなってね」

と苦虫を噛み潰したように言われた。
 そして、科学者か秘書か分からない人に、

「君が起動させたのは、首都防衛用の核ミサイルの自爆装置だ。まさか、あんなに簡単に侵入されるとはね。この件は極秘なので、君を見殺しにして、口封じをしたかったのだが。
犯人の情報を掴む為に、囮になってもらうよ」

と言われた。
 俺はどうやら、最も命の保証のない公務員にされたようだ。
早いうちに、工場で働くんだったと後悔した。
こんな危ない仕事、世界は真っ平だ。
そう思っているとヘリコプターが突然揺れた。
 眩い光で街が消えてゆくのが、後方遠くに見えた。俺は何百万人も、いや二千万人か?!
殺してしまった様だ。
 戦慄した・・・。
夢でも観ているのか?そんな気分だった。
ヘリコプターから飛び下りたくなっていた。
夢落ちにする為に。

 終わり。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み