第1話
文字数 722文字
このところ毎日のように僕は酒を飲んでいて、昼間でも酒をあおっていた。時間ならいくらでもあったし、仕事をしていなくてもギャンブルで儲けた金がまだ十分に残っていた。
その日も僕は夜のバーでビールを浴びるように飲み続けた。店を出て、また次の店を覗いたが閉まっていた。その次の店も、そしてまた次の店も、そのまた次も閉まっていた。腕時計を見ると時刻は午前四時を回っていた。僕はまだ飲み足りなかった。歩き続けてコンビニで缶ビール二本、ワイン一本を買った。歩きながらそれを飲んだ。空になった缶を買い物袋にしまい、前方に目をやると、とても大きく煌びやかなハンバーガーショップの看板が見えた。僕は酒を買い物袋ごと衣服の下に隠して店に入った。片手で腹部を押さえる格好だったが、怪しまれる様子はなかった。
カウンターの女は線が細くて小柄だった。髪はほとんどが帽子に納められていた。目は大きくもなく、かといって細くも小さくもない。ただ鼻は高く、明らかに東洋人の作りではなかったし、肌の白さもまたそうだった。
カウンターの前に立った僕は注文を尋ねてきた彼女を無視してこちらから質問をした。一方的な質問を繰り返したが彼女は嫌な顔も見せずに答えてくれた。
彼女は日本人ではなかった。外国人でもなかった。人間でもなかった。地球人でもなく、宇宙人だった。正確には月の住人と火星人とのハーフだと言った。月で生まれて、月で育ったという。本当は女性であることすら疑わしく思えたけど、容姿や声は地球上に存在する限りは女性だった。彼女はP市に住み、このハンバーガーショップで女性スタッフとして半年前から働いていた。
聞きたいことはまだあったが、僕はメニューを見て何か注文することにした。
その日も僕は夜のバーでビールを浴びるように飲み続けた。店を出て、また次の店を覗いたが閉まっていた。その次の店も、そしてまた次の店も、そのまた次も閉まっていた。腕時計を見ると時刻は午前四時を回っていた。僕はまだ飲み足りなかった。歩き続けてコンビニで缶ビール二本、ワイン一本を買った。歩きながらそれを飲んだ。空になった缶を買い物袋にしまい、前方に目をやると、とても大きく煌びやかなハンバーガーショップの看板が見えた。僕は酒を買い物袋ごと衣服の下に隠して店に入った。片手で腹部を押さえる格好だったが、怪しまれる様子はなかった。
カウンターの女は線が細くて小柄だった。髪はほとんどが帽子に納められていた。目は大きくもなく、かといって細くも小さくもない。ただ鼻は高く、明らかに東洋人の作りではなかったし、肌の白さもまたそうだった。
カウンターの前に立った僕は注文を尋ねてきた彼女を無視してこちらから質問をした。一方的な質問を繰り返したが彼女は嫌な顔も見せずに答えてくれた。
彼女は日本人ではなかった。外国人でもなかった。人間でもなかった。地球人でもなく、宇宙人だった。正確には月の住人と火星人とのハーフだと言った。月で生まれて、月で育ったという。本当は女性であることすら疑わしく思えたけど、容姿や声は地球上に存在する限りは女性だった。彼女はP市に住み、このハンバーガーショップで女性スタッフとして半年前から働いていた。
聞きたいことはまだあったが、僕はメニューを見て何か注文することにした。