「竹富島憲章」(昭和61年)に思う
竹富島憲章紹介(一部)
われわれ竹富人は、無節操な開発、破壊が人の心までをも蹂躙することを憂い、これを防止してきたが、美しい島、誇るべきふるさとを活力あるものとして後世へと引き継いでいくためにも、あらためて「かしくさや うつぐみどぅ まさる」の心で島を生かす方策を講じなければならない。
われわれは今後とも竹富島の文化と自然を守り、住民のために生かすべく、ここに竹富島住民の総意に基づきこの憲章を制定する。
一、保全優先の基本理念
竹富島を生かす島づくりは、すぐれた文化と美しさの保全がすべてに優先されることを基本理念として、次の原則を守る。
1、『売らない』 島の土地や家などを島外者に売ったり無秩序に貸したりしない。
2、『汚さない』 海や浜辺、集落等島全体を汚さない。また汚させない。
3、『乱さない』 集落内、道路、海岸等の美観を、広告、看板、その他のもので乱さない。また、島の風紀を乱させない。
4、『壊さない』 由緒ある家や集落景観、美しい自然を壊さない。また壊させない。
5、『生かす』 伝統的祭事行事を、島民の精神的支柱として、民俗芸能、地場産業を生かし、島の振興を図る。
二、美しい島を守る
竹富島が美しいといわれるのは、古い沖縄の集落景観を最も良くのこし、美しい海に囲まれているからである。これを保つために次のことを守り、守らせる。
1、建物の新・改・増築、修繕は、伝統的な様式を踏襲し、屋根は赤瓦を使用する。
2、屋敷囲いは、サンゴ石灰岩による従来の野面積みとする。
3、道路、各家庭には、年二回海砂を散布する。
4、看板、広告、ポスター等は、所定の場所に掲示する。
5、ゴミ処理を区分けして利用と回収を図る。金属粗大ゴミは業者回収を行う。
6、家庭下水は、処理して排水する。
7、樹木は、伐採せず植栽に努める。
8、交通安全、道路維持のために、車両制限を設ける。
9、海岸、道路などゴミ、空きカン、吸殻などを捨てさせない。
10、空き家、空き屋敷の所有者は、地元で管理人を指定し、清掃及び活用を図る。
11、観光客のキャンプ、野宿は禁止する。
12、草花、蝶、魚貝、その他の生物をむやみに採取することを禁止する。
三、秩序ある島を守る
竹富島が、本土や本島にない魅力があるのは、その静けさ、秩序のとれた落ち着き、善良な風俗が保たれているためである。これを保つために次のことを守り、守らせる。
1、島内の静けさを保つために、物売り、宣伝、車両等の騒音を禁止する。
2、集落内で水着、裸身は禁止する。
3、標識、案内板等は必要に応じて設ける。
4、集落内において車輌は、常に安全を確認しながら徐行する。
5、島内の清掃に努め、関係機関による保健衛生、防火訓練を受ける。
6、水、電気資源等の消費は最小限に留める。
7、映画、テレビ、その他マスコミの取材は調整委員会へ届け出る。
8、自主的な防犯態勢を確立する。
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小説情報
「竹富島憲章」(昭和61年)に思う
- 執筆状況
- 連載中
- エピソード
- 7話
- 種類
- 一般小説
- ジャンル
- 社会・思想
- タグ
- 竹富島ゆがふ館, 竹富町民憲章, NPOたきどぅん, アールジェイエステー, 星のや竹富島, 石西礁湖自然再生協議
- 総文字数
- 10,171文字
- 公開日
- 2024年01月05日 22:50
- 最終更新日
- 2024年02月04日 06:11
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