セリフ詳細

 明治時代、大日寺金蔵院に大井沢学校が創設されたが、戦後は教育環境の荒廃に悩まされていた。そこで、学校長を中心とする有志運動によって、『僻地教育振興法』の制定を実現させた。そして、学校自体も地域に根差した教育振興を試み、班行動で生物・地学を調査する課外学習「自然研究」を実践し、ここで収集された動植物・鉱物の標本が山形県に評価され、校内の郷土室は西川町立大井沢自然博物館に発展した。日本で唯一、生徒達が中心に創造した博物館である。その後、自然研究は社会科の視点をも取り入れた「自然学習」に移行し、高度経済成長の開発が迫る朝日山地の原生ブナ林保全や、少子化による過疎という環境・社会変動に対応しながら、大井沢の地元学である「郷土研究」が結実した。一連の試みは、環境教育・総合学習の先駆的実践であった。大井沢学校は、平成時代に廃校を迎えたものの、自然共育の理念は、統合された町立西川小学校などの義務教育カリキュラムとして持続している。また、大井沢で自然共育を学び、そして教えた人々は今、大井沢地域の持続可能性を目指して雪祭などに取り組んでいる。

作品タイトル:ちがくぶ!地球研究会

エピソード名:出羽三山文化圏の持続可能性 市原・大井沢の内発的発展

作者名:スライダーの会  slider

62|科学|連載中|44話|274,160文字

短編, 青春, 高校生, エッセイ, シリアス, 一人称, 女主人公, 群像劇, 現代, 一話完結

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 東京 渋谷区の、とある私立学校に「地学(地球科学)部」という部活があり、私達の世界である地球(岩石圏・水圏・大気圏)と宇宙に関して、主に自然科学的な探究を行っていました。地学部の部室である「地学教材室」は理科館4階にあり、地学部で過ごした日々、ベランダから眺めた天地の景色は、部員だった私達の大切な思い出です。

 やがて卒業し、大学に進学するなどした私達は、地学部の理念を継承した活動を続けるべく、渋谷区や横浜市 青葉区の大学を拠点とするサークル「地球研究会」を結成しました。地球研究会は、地理学・地学などを中心に、私達が暮らし生きる世界を学び、その中に存在する自我を見詰める、総合的ネットワークです。

 現在は、ここ「NOVEL DAYS」に公式ウェブサイトを開設し、國學院大学・法政大学・星槎大学などの学生・卒業生らが参加し、論文や随筆を投稿しております。大学の課題レポートとして執筆した小論文も掲載しているので、学業の参考になるかも知れません。アイコン・イラストの登場人物はフィクションですが、本文で取り扱っているのは現実世界のテーマです。


【詳細】

 地球研究会は、國學院高等学校地学部を母体とし、その部長を務めた卒業生らによって、2007(平成十九)年に「地球研究機構 國學院大学地球研究会」として創立された。國學院大学においては、博物館見学や展示会、年2回(前期・後期)の会報誌制作など積極的な活動に尽力すると共に、従来の学生自治会を改革するべく、志を同じくする東方研究会・政治研究会と連合して「自由学生会議」を結成していた。

 主たる参加者が國學院大学を卒業・離籍した後も、法政大学や星槎大学など様々な舞台を踏破しながら、探究を継続している。ここ「NOVEL DAYS」では、同人サークル「スライダーの会」が、地球研究会の投稿アカウントを兼任している。