セリフ詳細

こんなこと言うと、専門家の人にブッ殺されてしまうような気もするが、

『善の研究』は、かなり誤読されまくってると思う。

なんでそうなってしまうかというと、

こいつをマトモに理解しようとするなら、

西洋哲学的な素養・知識はむしろ邪魔、災いとなり、

古代インド哲学や、仏教について知っていたほうが間違えなくて済むからなんだよ。

たとえば、『善の研究』の中では、「神」について、たくさん語られていくが、

この「神」を一般的な意味での、もっと言うと、西洋的な意味での「神」だと受け取ってしまうと、

完全に西田の主張を間違えてしまうことになる。

さらには、あとで詳しくふれるけれども、有名な純粋経験なる概念についても、

たしかに、欧米の思想から強い影響を受けて提示されているわけなんだが、

それは認めるが、そのとおりだが、

ただし、その欧米思想の延長線上でとらえ続けてしまうと、やはり間違う。

西田の言う私の純粋経験は、私の根底にある純粋経験は、

なんと私の底を突き抜けて、いわば私とあなたを包含しているので、え? となるし、戸惑うし、

純粋経験こそ真なる実在だと言うが、真なる実在は「神」だと言う。

となると、純粋経験は「神」? は? え? となるだろう。

でもって、純粋経験において、私と「神」は合一することになる? ということで、???となる。

意味がわかりませぬなぁ・・・・・・

読み進めるうちに、どんどん頭が混乱していくことになるだろう。

作品タイトル:西田幾多郎を読む

エピソード名:『善の研究』を読む②

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

19|社会・思想|連載中|9話|32,364文字

哲学, 西田幾多郎, 善の研究

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哲学者・西田幾多郎の著作を順番に読み進めていきます。