セリフ詳細

 だみ声を轟かせながら、男は大股で少女を追う。

 男はのしり、のしりとした緩やかな足取りで迫る。必死に駆け走る少女はなぜか男を振り切ることができない。

 彼女が角を曲がり、廃屋に隠れ、影の中に身を潜めても、男はどうしてか彼女を見つけ出し、迷うことなく一直線に彼女の隠れ場へと突き進んでくるのだ。

 駆けれども隠れども振り切れぬ男の追跡は、むろん少女を慄然とさせたが、それ以上に彼女の心胆を寒からしめたのは、何よりも男の特異な姿にこそあっただろう。

作品タイトル:聖母妖魔伝

エピソード名:一、邪宗真槍

作者名:架神恭介  cagami

54|歴史|連載中|2話|13,102文字

キリスト教, 伝奇, バトル, 聖書ラノベ新人賞

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マリアの処女、犯すべし――!

十六世紀に転生した聖処女マリアを追って、時代を超えて現れし異端、異教徒の呪われし七人。
巨大醜悪なる陰茎と恐るべき魔性技を備えしアナテマの七魔人たちが、マリアの処女を狙って襲い来る!
迎え撃つは教皇庁攻性異端審問官「鷲のクロフォード家」。
無垢なる処女マリアを守護し、バチカンへと護送せよ! マリアの処女膜が破られし時、神の御子の聖性は地に墜ち、歴史は改変され、この世は魔界へと変貌する――!