セリフ詳細

論点ずれちゃいましたけど、とにかく、聖書がつくり話だなんて教えるなんて、キリスト教主義を掲げる学校として、どうなのかって話なんです!聖書は神様から人間へのラブレターなんですよ!?聖書に改ざんがあるとか意図的な編集の痕跡があるとか、Q資料<クヴェッレ>だのM資料<エム>だのP資料<プリースト>だのJ資料<ヤハウィスト>だの擬似パウロ書簡だの真正パウロ書簡だの、イザヤ書の記者は複数存在するとか、愛情のこもった手紙を手術台の上でメス使って切り刻むのが信仰者のやることですか!?クリスチャンの中には、史料批判や高等批評に基づいた仮説をさも事実であるかのように振り回して、『ちゃんと勉強すれば聖書が人の言葉であって、完璧な言葉でないと分かるはずだ』とか『これが事実なんだからちゃんと現実を見なさい』とか言う人もいるけど、"この世の知恵"で言うところの"客観的な事実"っていうのは、『この地域で発見された写本にはこう書いてある』っていう調査結果のレベルまでであって、『この写本とこの写本にはこう書いてあるから、これは後代に付け加えられた文章のはずだ』とか『この文書はパウロ本人が書いたものではない』とかっていうのは、調査結果をもとに考察してるわけでしょ?たとえ得られたデータは客観的なものであっても、人の知恵による考察はどこかに人の主観が入るわけであって、仮説を事実扱いして人に伝えることこそ、どうかと思いますけどね!というかそもそも、神様からの愛の言葉を批判的研究の対象にして、バラバラに解剖するのが一番解せないんですよ!

作品タイトル:天の国の猛騎兵(ハッカペル)

エピソード名:巻き込まれる者

作者名:ho_poneros

149|学園・青春|連載中|20話|81,609文字

キリスト教, 聖書, 学園神学コメディ

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『信じ方が違うのに、信じる相手は同じ神!?』

 キリスト教主義を掲げる嗣業学園高等学校。そこに通う水野陽太は、クラスに馴染めず、鬱々とした日々を過ごしている。そんなある日、聖書科の授業方針に異を唱えたサイッコラ愛花。

 愛花は、嗣業高校の聖書教育は聖書をフィクション扱いしているとして批判し、聖書は神の霊感によって書かれた、誤りなき言葉であると断言する。陽太は、愛華が勝手に掲げた「嗣業リバイバル」に巻き込まれる。

 愛花の考えに反対するキリスト教徒の生徒、ある事情があり教会から離れてしまった生徒との出会いを経て、陽太はキリスト教の世界により深く引きずり込まれることになる。一方愛花は、神の愛を証明しようと、次々と「奇跡」を起こして見せる。噂は広がり、愛花の「奇跡」を解明しようとするオカルトオタクの生徒まで現れ……。(332文字)

※作中の登場人物の言動は、特定の教派の信仰的立場を代表するものではありません。また、作者の思想を代弁するものでもありません。