セリフ詳細

ところがじゃ。


その次の夜から何処からともなく皿を数える声が聞こえるようになった。


『いちま~い、にま~い、さんま~い』


とな。

そして最後には


『きゅうま~い…………一枚足りない……』


と悲しく数えると言う事じゃよ。


しまいには毎夜、鉄山の枕元にお菊さんの幽霊が立ったそうだ。

さすがの鉄山も気が狂って自害したという事だそうだ。


お菊さんは今でも、毎夜悲しく皿の数を数えていると言う事じゃ

作品タイトル:『トークノベルで読む落語』シリーズ

エピソード名:第1回『お菊の皿』

作者名:共幻亭乱華  rakugo_ranka

30|その他|連載中|1話|4,000文字

落語

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江戸時代から幾たびもの改変をへて、私たちの時代にまで続いてきた落語。

その洗練された話芸をトークノベルでお送りいたします。

落語が好きという方も、見たことがないという方も、お気軽にお立ち寄りください。