セリフ詳細

 このように環境倫理は、まず人間中心主義への批判から始まり「種差別」や「生命権」などの概念が示された。その後、自然環境と共生する先住民の権利や、環境政策の社会的公正を求める環境正義が提起された。そして、開発による自然破壊だけでなく、自然保護においても、その過程で生活の権利を奪われる人々の存在が認識されるようになった。例えば、白神山地は「世界自然遺産」に登録されているので、縄文以来「手付かずの原生自然」という印象があるが、実際には山神信仰の文化があり、保護・保存のため立入禁止された地域でも、江戸時代(津軽弘前藩・秋田佐竹藩)から伝統的な食糧採集が行われていた。資源として適切に管理されていれば、自然の利用と保全は矛盾せず、むしろ永続的な資源利用のため自然に関心を持つ事によって、自然が守られると指摘されている。そもそも「開発」の原義は破壊ではなく、古くは「かいほつ」と発音され、平安・鎌倉時代の開墾を意味する言葉として9世紀から用いられ、僧侶なども参加していた(日本歴史大事典)。過去に硬直的な回帰をする必要は無いが、持続可能な発展には自然的・社会的・精神的環境の統合が重要であり、生業活動において、分断化された宗教文化的・社会経済的リンクの全体性を再構築する事が望まれる。

作品タイトル:地球研究会

エピソード名:人類と自然環境の共生

作者名:スライダーの会  slider

37|科学|連載中|31話|202,235文字

科学, 創作論・評論, 社会・思想, ファンタジー

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