セリフ詳細

 このように環境倫理は、まず人間中心主義への批判から始まり「種差別」や「生命権」などの概念が示された。その後、自然環境と共生する先住民の権利や、環境政策の社会的公正を求める環境正義が提起された。そして、開発による自然破壊だけでなく、自然保護においても、その過程で生活の権利を奪われる人々の存在が認識されるようになった。例えば、白神山地は「世界自然遺産」に登録されているので、縄文以来「手付かずの原生自然」という印象があるが、実際には山神信仰の文化があり、保護・保存のため立入禁止された地域でも、江戸時代(津軽弘前藩・秋田佐竹藩)から伝統的な食糧採集が行われていた。資源として適切に管理されていれば、自然の利用と保全は矛盾せず、むしろ永続的な資源利用のため自然に関心を持つ事によって、自然が守られると指摘されている。そもそも「開発」の原義は破壊ではなく、古くは「かいほつ」と発音され、平安・鎌倉時代の開墾を意味する言葉として9世紀から用いられ、僧侶なども参加していた(日本歴史大事典)。過去に硬直的な回帰をする必要は無いが、持続可能な発展には自然的・社会的・精神的環境の統合が重要であり、生業活動において、分断化された宗教文化的・社会経済的リンクの全体性を再構築する事が望まれる。

作品タイトル:ちがくぶ!地球研究会

エピソード名:人類と自然環境の共生

作者名:スライダーの会  slider

62|科学|連載中|44話|273,837文字

短編, 青春, 高校生, エッセイ, シリアス, 一人称, 女主人公, 群像劇, 現代, 一話完結

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 東京 渋谷区の、とある私立学校に「地学(地球科学)部」という部活があり、私達の世界である地球(岩石圏・水圏・大気圏)と宇宙に関して、主に自然科学的な探究を行っていました。地学部の部室である「地学教材室」は理科館4階にあり、地学部で過ごした日々、ベランダから眺めた天地の景色は、部員だった私達の大切な思い出です。

 やがて卒業し、大学に進学するなどした私達は、地学部の理念を継承した活動を続けるべく、渋谷区や横浜市 青葉区の大学を拠点とするサークル「地球研究会」を結成しました。地球研究会は、地理学・地学などを中心に、私達が暮らし生きる世界を学び、その中に存在する自我を見詰める、総合的ネットワークです。

 現在は、ここ「NOVEL DAYS」に公式ウェブサイトを開設し、國學院大学・法政大学・星槎大学などの学生・卒業生らが参加し、論文や随筆を投稿しております。大学の課題レポートとして執筆した小論文も掲載しているので、学業の参考になるかも知れません。アイコン・イラストの登場人物はフィクションですが、本文で取り扱っているのは現実世界のテーマです。


【詳細】

 地球研究会は、國學院高等学校地学部を母体とし、その部長を務めた卒業生らによって、2007(平成十九)年に「地球研究機構 國學院大学地球研究会」として創立された。國學院大学においては、博物館見学や展示会、年2回(前期・後期)の会報誌制作など積極的な活動に尽力すると共に、従来の学生自治会を改革するべく、志を同じくする東方研究会・政治研究会と連合して「自由学生会議」を結成していた。

 主たる参加者が國學院大学を卒業・離籍した後も、法政大学や星槎大学など様々な舞台を踏破しながら、探究を継続している。ここ「NOVEL DAYS」では、同人サークル「スライダーの会」が、地球研究会の投稿アカウントを兼任している。