セリフ詳細

 大量生産・大量消費・大量廃棄に基づく現代社会において、廃棄物処理・静脈産業に関する身近な製品の環境問題として、PETボトルを挙げる事ができる。日本では、『容器包装リサイクル法(1995)に基づくPETボトルのリサイクルが成功し、その回収率は、環境先進国の欧米を上回る9割を達成し、「リサイクルの優等生」を実現した。ところが、この再生利用システムが、原材料不足という事態に陥っている。その原因にして問題点は、三つある。第一に、PET製品に対する需要が急激に拡大している、中華(香港を含む)市場への輸出。第二に、財政に悩む市町村が、経済的利益の無い「指定法人ルート」(日本容器包装リサイクル協会)よりも、収入を得られる「独自処理ルール」で販売している。第三に、リサイクルを市場に位置付ける「静脈産業」の成立に伴う、再商品化事業者の競争激化。これらは、リサイクルが産業として成熟しつつある事を意味するが、市場原理によってリサイクル技術システムが崩壊する危機をも招いている。企業の「拡大生産者責任」や、消費者の「受益者負担」をリサイクルに導入する事が、望ましいシステムに求められる。

作品タイトル:ちがくぶ!地球研究会

エピソード名:地理学概論

作者名:スライダーの会  slider

62|科学|連載中|44話|274,160文字

短編, 青春, 高校生, エッセイ, シリアス, 一人称, 女主人公, 群像劇, 現代, 一話完結

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 東京 渋谷区の、とある私立学校に「地学(地球科学)部」という部活があり、私達の世界である地球(岩石圏・水圏・大気圏)と宇宙に関して、主に自然科学的な探究を行っていました。地学部の部室である「地学教材室」は理科館4階にあり、地学部で過ごした日々、ベランダから眺めた天地の景色は、部員だった私達の大切な思い出です。

 やがて卒業し、大学に進学するなどした私達は、地学部の理念を継承した活動を続けるべく、渋谷区や横浜市 青葉区の大学を拠点とするサークル「地球研究会」を結成しました。地球研究会は、地理学・地学などを中心に、私達が暮らし生きる世界を学び、その中に存在する自我を見詰める、総合的ネットワークです。

 現在は、ここ「NOVEL DAYS」に公式ウェブサイトを開設し、國學院大学・法政大学・星槎大学などの学生・卒業生らが参加し、論文や随筆を投稿しております。大学の課題レポートとして執筆した小論文も掲載しているので、学業の参考になるかも知れません。アイコン・イラストの登場人物はフィクションですが、本文で取り扱っているのは現実世界のテーマです。


【詳細】

 地球研究会は、國學院高等学校地学部を母体とし、その部長を務めた卒業生らによって、2007(平成十九)年に「地球研究機構 國學院大学地球研究会」として創立された。國學院大学においては、博物館見学や展示会、年2回(前期・後期)の会報誌制作など積極的な活動に尽力すると共に、従来の学生自治会を改革するべく、志を同じくする東方研究会・政治研究会と連合して「自由学生会議」を結成していた。

 主たる参加者が國學院大学を卒業・離籍した後も、法政大学や星槎大学など様々な舞台を踏破しながら、探究を継続している。ここ「NOVEL DAYS」では、同人サークル「スライダーの会」が、地球研究会の投稿アカウントを兼任している。