セリフ詳細
ここで重要なことは、ポイントは、
カルロ・ロヴェッリは、【対象物の属性を、そもそもそれらの属性が発現するために相互作用している別の対象物から切り離すことは不可能なのだ。対象物のあらゆる属性(変数)は、煎じ詰めればほかの対象物に関してのみそのような属性として存在する】(P143)と言うのだが、
さっき、ぼくは、あえての擬人化をして、
ある女が、娘の前では母に、恋人の前では女になる、と言ったが、
これがカルロ・ロヴェッリの言う【対象物のあらゆる属性(変数)は、煎じ詰めればほかの対象物に関してのみそのような属性として存在する】の、たとえ話だとしても、
この場合、とりあえず「ある女」がいる、ということは事実としてある、と考えてしまうと、間違うことになってしまう。
つまり、対象物Aが事前に、あらかじめ存在し、その対象物Aが対象物Bと相互作用することにより、AがA’になるとか、そういうことを言ってるんじゃない。
そうではなく、相互作用を抜きに、対象物は存在しない、AはAたりえない、ということを言っている。
つまり、もっと過激なことを言っているんだよ。
作品タイトル:西田幾多郎を読む
エピソード名:『善の研究』を読む②
作者名:千夜一夜読書人 nomadologie
★19|社会・思想|連載中|9話|32,364文字
哲学, 西田幾多郎, 善の研究
15,701 views
哲学者・西田幾多郎の著作を順番に読み進めていきます。