セリフ詳細

 太田神社からに西に歩くと、池上本門寺の台地が広がる。この台地は、地形学的には荏原台の南端付近に当たる。本門寺の山号では「長栄山」と呼ばれ、日蓮宗の守護神「長栄大威徳天」が宿ると伝わる。東麓には、筆者の母校である大森第四中学校や、その卒業式で使われる本門寺公園⑬がある。池上本門寺の周辺は、大田区自然観察路「縄文の道」に指定されており、区環境計画課の看板によれば、縄文時代に一帯を覆っていた(シイ)(ブナ科広葉樹)などの常緑樹林が、現在も広い面積に遺されている。中学校の西隣には堤方神社が鎮座し、天照大御神応神大王仁徳大王などを祀る。その南に入った永寿院は、徳川氏の墓所「万両塚」で知られるが、2007(平成十九)年などの発掘調査により、弥生時代中期・後期古墳時代後期の遺跡である事が判明し、堤方権現台古墳⑭と名付けられた。筆者が中学時代を過ごした母校の丘には、高名な神霊・天皇が祀られているだけでなく、東京にありながら2000年前の古墳が遺されている場所でもあった。堤方神社・大森中学校から南東に降り、大森めぐみ教会⑮に至る斜面は「めぐみ坂」と呼ばれるが、これは教会を創立した牧師の、亡き長男の名前に由来する。

作品タイトル:ちがくぶ!地球研究会

エピソード名:東京大森・池上の地域調査 大森貝塚から池上本門寺まで数千年を一日で巡検する

作者名:スライダーの会  slider

62|科学|連載中|44話|273,837文字

短編, 青春, 高校生, エッセイ, シリアス, 一人称, 女主人公, 群像劇, 現代, 一話完結

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 東京 渋谷区の、とある私立学校に「地学(地球科学)部」という部活があり、私達の世界である地球(岩石圏・水圏・大気圏)と宇宙に関して、主に自然科学的な探究を行っていました。地学部の部室である「地学教材室」は理科館4階にあり、地学部で過ごした日々、ベランダから眺めた天地の景色は、部員だった私達の大切な思い出です。

 やがて卒業し、大学に進学するなどした私達は、地学部の理念を継承した活動を続けるべく、渋谷区や横浜市 青葉区の大学を拠点とするサークル「地球研究会」を結成しました。地球研究会は、地理学・地学などを中心に、私達が暮らし生きる世界を学び、その中に存在する自我を見詰める、総合的ネットワークです。

 現在は、ここ「NOVEL DAYS」に公式ウェブサイトを開設し、國學院大学・法政大学・星槎大学などの学生・卒業生らが参加し、論文や随筆を投稿しております。大学の課題レポートとして執筆した小論文も掲載しているので、学業の参考になるかも知れません。アイコン・イラストの登場人物はフィクションですが、本文で取り扱っているのは現実世界のテーマです。


【詳細】

 地球研究会は、國學院高等学校地学部を母体とし、その部長を務めた卒業生らによって、2007(平成十九)年に「地球研究機構 國學院大学地球研究会」として創立された。國學院大学においては、博物館見学や展示会、年2回(前期・後期)の会報誌制作など積極的な活動に尽力すると共に、従来の学生自治会を改革するべく、志を同じくする東方研究会・政治研究会と連合して「自由学生会議」を結成していた。

 主たる参加者が國學院大学を卒業・離籍した後も、法政大学や星槎大学など様々な舞台を踏破しながら、探究を継続している。ここ「NOVEL DAYS」では、同人サークル「スライダーの会」が、地球研究会の投稿アカウントを兼任している。