セリフ詳細

 メソアメリカ・アンデス文明は、優れた農耕文化を育んでおり、ラテンアメリカ原産の栽培植物であるトウモロコシ・ジャガ芋・薩摩芋・キャッサバ・インゲン豆・落花生・カボチャ・トマト・唐辛子・パイナップル・パパイヤ・アボカド・煙草・カカオ・綿などの作物は、現代に至る我々の生活を支えている(矢ケ﨑編・丸山浩明2020)。メキシコ・ペルーでは(現在も)世界最多のが産出し、銀本位制のヨーロッパ市場経済(後の資本主義)を支えた。17世紀には、まだ鎖国していなかった江戸時代初期の我が国も、徳川家康伊達政宗がスペイン領メキシコ(ノビスパン)と貿易交渉した。ポルトガル・イスパニアの国民は、旧ローマ帝国のラテン系民族が中心なので、彼らが統治する中南米は「ラテンアメリカ」と呼ばれるようになった。イングランド王国に開拓された北米「アングロアメリカ」と比較すると、ラテンアメリカにはカトリックが普及し、途上国が多く、著しく進んだ人種混血が注目される。カトリック教会もインディオも、白人と先住民の結婚・混血に対して比較的寛容だったので、宗主国から殖民した単身男性と、現地のインディオ女性との間にメスティーソと呼ばれる混血者が生まれ、メキシコに多く定着した。しかし、先住民には充分な人権が認められず、強制労働と伝染病によって、早くも16世紀の時点で、その人口は大幅に激減した。そこで、アフリカ大陸から黒人奴隷が連行されるようになり、ブラジルなどのプランテーションを中心に、白人と黒人の混血者ムラートが増加した。有色人種の間でも、インディオと黒人の混血(サンボ・クリボーカ)が、西インド諸島カリブ海などに見られる。18世紀後半になると、植民地出身の白人と、宗主国から派遣されて来た白人との対立が顕在化し、その後の独立運動を準備した。

作品タイトル:ちがくぶ!地球研究会

エピソード名:ラテンアメリカ地誌の中核的事項

作者名:スライダーの会  slider

62|科学|連載中|44話|274,160文字

短編, 青春, 高校生, エッセイ, シリアス, 一人称, 女主人公, 群像劇, 現代, 一話完結

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 東京 渋谷区の、とある私立学校に「地学(地球科学)部」という部活があり、私達の世界である地球(岩石圏・水圏・大気圏)と宇宙に関して、主に自然科学的な探究を行っていました。地学部の部室である「地学教材室」は理科館4階にあり、地学部で過ごした日々、ベランダから眺めた天地の景色は、部員だった私達の大切な思い出です。

 やがて卒業し、大学に進学するなどした私達は、地学部の理念を継承した活動を続けるべく、渋谷区や横浜市 青葉区の大学を拠点とするサークル「地球研究会」を結成しました。地球研究会は、地理学・地学などを中心に、私達が暮らし生きる世界を学び、その中に存在する自我を見詰める、総合的ネットワークです。

 現在は、ここ「NOVEL DAYS」に公式ウェブサイトを開設し、國學院大学・法政大学・星槎大学などの学生・卒業生らが参加し、論文や随筆を投稿しております。大学の課題レポートとして執筆した小論文も掲載しているので、学業の参考になるかも知れません。アイコン・イラストの登場人物はフィクションですが、本文で取り扱っているのは現実世界のテーマです。


【詳細】

 地球研究会は、國學院高等学校地学部を母体とし、その部長を務めた卒業生らによって、2007(平成十九)年に「地球研究機構 國學院大学地球研究会」として創立された。國學院大学においては、博物館見学や展示会、年2回(前期・後期)の会報誌制作など積極的な活動に尽力すると共に、従来の学生自治会を改革するべく、志を同じくする東方研究会・政治研究会と連合して「自由学生会議」を結成していた。

 主たる参加者が國學院大学を卒業・離籍した後も、法政大学や星槎大学など様々な舞台を踏破しながら、探究を継続している。ここ「NOVEL DAYS」では、同人サークル「スライダーの会」が、地球研究会の投稿アカウントを兼任している。