セリフ詳細

 城下町の原型たり得る小集落は、鎌倉時代に生まれたが、本格的に発達するのは戦国~江戸時代であり、第一段階の戦国城下町と、第二に安土桃山時代からの近世城下町とに分けて考える事ができる。中世においては、自然の地形を軍事に活用した山城(やまじろ)が築かれていたが、戦国時代後半の16世紀になると、交通・経済の中心地であり、鉄砲戦術にも適した平野部を確保する事が、政治的に重要となった。そのため、山地の山城から、丘陵の平山城(ひらやまじろ)、平野の平城(ひらじろ)へと、城郭の立地が移動した。平野に築城した戦国大名は、家臣団の武士を集住させると共に、その消費生活を支える商工業者を招き、形成された町を拠点に富国強兵を目指した。また、領国の社寺を保護して、文化的権威を向上させた。これが城下町の始まりであり、商工業の誘致という点で、歴史地理学的な「都市」の始まりでもある。但し、兵農分離が行われておらず、多くの家臣が未だ農村に住み、武家屋敷と町屋が混在していた点で、中世の性格が残っていた。こうした戦国城下町として、後北条氏小田原今川氏駿河府中(静岡)武田氏甲府上杉氏越後春日山(新潟県 上越市)朝倉氏越前一乗谷(福井)大内氏山口大友氏豊後府内(大分)島津氏鹿児島などが挙げられる。また、日明貿易の拠点だったを始めとする港町自由都市も、都市の起源を構成している。このほか、浄土真宗石山本願寺を中心とする一向一揆は、戦国大名に匹敵する勢力を擁し、近畿・北陸の各地を占領して、軍事的機能を有する寺内町が形成された。日蓮宗の寺内町(京都・尼崎)もある。

作品タイトル:ちがくぶ!地球研究会

エピソード名:日本における都市の起源

作者名:スライダーの会  slider

62|科学|連載中|44話|274,160文字

短編, 青春, 高校生, エッセイ, シリアス, 一人称, 女主人公, 群像劇, 現代, 一話完結

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 東京 渋谷区の、とある私立学校に「地学(地球科学)部」という部活があり、私達の世界である地球(岩石圏・水圏・大気圏)と宇宙に関して、主に自然科学的な探究を行っていました。地学部の部室である「地学教材室」は理科館4階にあり、地学部で過ごした日々、ベランダから眺めた天地の景色は、部員だった私達の大切な思い出です。

 やがて卒業し、大学に進学するなどした私達は、地学部の理念を継承した活動を続けるべく、渋谷区や横浜市 青葉区の大学を拠点とするサークル「地球研究会」を結成しました。地球研究会は、地理学・地学などを中心に、私達が暮らし生きる世界を学び、その中に存在する自我を見詰める、総合的ネットワークです。

 現在は、ここ「NOVEL DAYS」に公式ウェブサイトを開設し、國學院大学・法政大学・星槎大学などの学生・卒業生らが参加し、論文や随筆を投稿しております。大学の課題レポートとして執筆した小論文も掲載しているので、学業の参考になるかも知れません。アイコン・イラストの登場人物はフィクションですが、本文で取り扱っているのは現実世界のテーマです。


【詳細】

 地球研究会は、國學院高等学校地学部を母体とし、その部長を務めた卒業生らによって、2007(平成十九)年に「地球研究機構 國學院大学地球研究会」として創立された。國學院大学においては、博物館見学や展示会、年2回(前期・後期)の会報誌制作など積極的な活動に尽力すると共に、従来の学生自治会を改革するべく、志を同じくする東方研究会・政治研究会と連合して「自由学生会議」を結成していた。

 主たる参加者が國學院大学を卒業・離籍した後も、法政大学や星槎大学など様々な舞台を踏破しながら、探究を継続している。ここ「NOVEL DAYS」では、同人サークル「スライダーの会」が、地球研究会の投稿アカウントを兼任している。