セリフ詳細

ありきたりですが君主論からの引用です。


>私は、用意周到であるよりはむしろ果断に進むほうがよいと考えている。なぜなら、運命の神は女神であるから、彼女を征服しようとすれば、うちのめしたり、突きとばしたりすることが必要である。運命は、冷静な行き方をする者より、こんな人たちに従順になるようである。


もちろんマキャベリは確率や量子に言及したわけではないのですが、皆さんにもわかりやすいご提示として、基本路線はコレでいいのではないでしょうか。


尤も、マキャベリは結局のところイタリアを救えなかった現実も、我々は知っておかなければなりません。

どれほどの積み重ねを行おうとも、結果としてみれば何ら成果を残せないという現実は枚挙にいとまがありません。ぼくは19歳から会社を創業し、事業歴は20年に及びますけれども、ふと周りを見れば、似たような時期から開始して生き残っている経営者は2%くらいかもしれませんね(決して誇張の数字ではありません)。夜逃げしたり所在不明になったなんてのは当たり前のレベルで、海に身を投げた経営者も知っています。


ビジネス界ではなく、小説界に目を移してみますと、小説家志望者は数十万人はいるでしょう。100万人いるかもしれない。そのうち、(現在のところは)1冊の商業出版にまでたどり着ける人は年間500人くらいでしょうか。うち、5年10年と残れる人、ちゃんと20冊30冊と積み重ねていける人って500人のうちの5人にも満たないかもしれませんよ。官僚になるより、国会議員になるより難しい。どれだけ生き残れる確率が低い過酷な世界でしょうか。


時代の潮流、社会の盛衰、そのときの群集心理、そして運――多くの不確実な事柄が折り重なり、命を捧げたような努力さえ軽く洗い流されてしまうことがあります。

運命の女神をねじ伏せる力業、力量、哲学、信念――そうしたものが皆さんにありますか?


実際に行動を起こすのは、楽観的に見積もってせいぜい3%くらいの人でしょう。その行動に移った人のうち、さらに現実に屈してしまう人はかなりの割合に及ぶはず。

そうした現実は大前提として受け止めておき、それでもチャレンジできるかどうかです。


おそらく、多くの方々はどうせ何も実行しないんでしょうね。

であれば思い悩むよりも、いっそプロとしての継続を諦めてしまうというのも結果としてみれば一つの幸せに繋がる可能性があります。もっとも、商業作品がまだ5冊程度の方だと、まだ始まってもいないとも受け止めることができるので、何もしていないうちに諦めるというのはアベコベな印象も受けます。


現実とは、かくも厳しい世界です。

そりゃあ異世界(=死後の世界)に旅立ちたがる人が多くなるのもわかる昨今ではありますが、だからこそ現実ほどやりごたえのあるゲームは他にないとも思うのです。ぼくは楽しく過ごしており、今このゲームのやり込みプレイにいそしんでいる最中ですが、返す返すも、行動だけがすべてだったということは共有しておきたく思います。

作品タイトル:NOVEL DAYS リデビュー小説賞 座談会(第二部閉幕!)

エピソード名:リデビュー小説賞 座談会 #2-2

作者名:講談社タイガ公式  kodansha_taiga

228|創作論・評論|完結|9話|126,227文字

【リデビュー小説賞】, 講談社タイガ, 講談社ラノベ文庫, 講談社ノベルス

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「NOVEL DAYSリデビュー小説賞 座談会」

現在第二部も終了いたしました。

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■参加者
司会:作家 至道流星

講談社ラノベ文庫 編集長
講談社タイガ 編集長

リデビュー賞応募者のプロ作家の皆様

■開催概要
講談社が主催する「NOVEL DAYS リデビュー小説賞」についての座談会を開催いたします!
この賞を開催するにいたったの経緯や、現在の出版市況、小説に対する思いなどを、縦横無尽に熱く語っていただきます。

「リデビュー小説賞」の応募資格をお持ちのプロ作家の方々からのコメント、ご意見、ご質問なども大歓迎です。

*応募者や応募検討中の方へのご質問などにもお答えいたしますので、今回の座談会への参加者(書き込める方)は「リデビュー小説賞」への応募資格のあるプロ作家の方に限らせていただく形にて開催してみます。

座談会は、2018年10月18日(木)の16時頃~1週間後の25日16時頃までを予定しております。

リデビュー小説の開催概要はこちらをご覧ください。
https://novel.daysneo.com/award/kodansha001.html

*こちらの座談会は開催当時の紹介です