オリオン渦状腕 オリオン国家連邦共和国 Ⅱ

 吉永悟郎(警視)は、防衛省極秘武器開発局、通称サイボーグ開発局・CDB(Cyborg Development Bureau)に出向している警察庁警察機構局特捜部の特別捜査官・サイボーグ特務コマンド(Cyborg special command)CSCである。


 義手や義足の開発はパラリンピックを推奨することで画期的に進歩し、サイボーグの部品開発へ発展した。仕掛け人は国際パラリンピック委員会の名を借りた、防衛省の極秘武器開発局、通称サイボーグ開発局・CDB(Cyborg Development Bureau)だ。

 棚に置かれている部品と装備は人体に装備装着するのではない。装備に人体を装着する。あるいは搭乗する、装備を着こむ。
 これで四肢がまともになる。

 好きこのんで四肢を無くしたのではない。事故だった。ヤクの売人を追っていたら、売人がヤクの詰ったバッグを俺に投げつけた。しかも、起爆装置をセットした高性能爆薬付きだ。おかげで俺は四肢と顔の左半分を失った。
 しかし、何と運が良いのか悪いのか、破損した部位から出血がなかった。奇跡としかいいようがない。爆発の熱衝撃で、破損箇所が焼き付いていたのだ。
 俺はただちに緊急処置され、神経組織と血管循環経路は、四肢と顔半分があったときと同じように確保された。
 おかしなもので、四肢がなくなっても、無い四肢が痛む。末梢神経はないが神経回路は残っている。それらが神経回路の切断末端の刺激を拾い、無い四肢が痛む。脳は四肢があるとして記憶している。この記憶が無くならないあいだに、新たな四肢と顔半分を装着することになった。初めての試みだったらしい。

 四肢と顔の左半分をサイボーグ化したといっても、金属の四肢や金属のマスクが顔に付着してはいない。見た目は今までの俺そのものだ。
 ただし、四肢の動く速度が過去の倍速になった。そして左目は新たな視覚センサーとして機能しはじめている。

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