【戯曲】闇の左手(ル=グウィン原作/オリジナル訳に基づく二人芝居)

[SF]

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10件のファンレター

宇宙のさいはて、極寒の惑星。スパイとみなされた地球からの使節は、ただ一人の理解者である現地人の宰相と、大氷原を横切って決死の逃避行を試みる。雪と氷に閉ざされた死の世界で二人を待ち受けるものとは……。
日本では『ゲド戦記』の原作者として知られるル=グウィンの、真の代表作『闇の左手』。その壮大な物語を、かぎりなくストイックな表現で二人芝居の朗読劇にしました。
未村明によるオリジナルの翻訳に基づいています。勝手な二次創作ではなく、正式に原作者の許可を得ています。生前に台本をお見せしたら、大変喜んでくださいました。
(人形は園英俊(そのひでとし)氏の作品です。)

(ここから小声)じつは、原作小説の既存の日本語訳には、訳し間違いが多々あります。少なくとも、固有名詞の発音は私の訳のほうが「正しい」です。ル=グウィンさんに(生前)直接お会いしてお訊きしました。ご本人による朗読テープも私は持っていて(残念ながら絶版)、随時確認しています。
例1.主人公二人のうち一人の名前は、「エストラヴェン」です。冒頭の「エ」にアクセントがあります。(ハ●カワ訳のように「えすとらーべん」ではありません。)
例2.もう一人の主人公ゲンリーの所属する惑星同盟の名前は、「エキュメン」です。同じく冒頭の「エ」にアクセントがあります。(ハ●カワ訳のように「えくーめん」ではありません。)
さらに詳しい話は別編「もっと『闇の左手』」をご覧ください。

ファンレター

夢中になりました

この小説が1969年に発表というのが驚異です。ラストのセリフが剛速球で胸に響いて、痛い。そして『あとがき』で、ああ、そうだったのかと……! 惑星ゲセンのために尽くした二人、しかもセレムはこんなにもゲンリーを守って……もう、切ない。セレムの日記を手にしたゲンリーも切ない。そして作中の詩がとても好きです。未村さんの翻訳のお陰ですね。『ゲセンへの秘密の扉』も楽しんでいます。(ネーミング、ぴったり)冬の惑星ゲセンにおける、文化人類学的なアプローチというか、その緻密に構築された世界に夢中になっています。

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読了

 同胞との握手のシーンが印象的でした。ぐーっとここで胸にこみ上げるものを感じました。原作では同胞とのふれあいはさらりと描かれていて見落としていましたが、台詞で語られることによって触れるっていうことの意味の大きさを感じ、あえて触れなかった、触れないことによって深く結ばれていた魂を再認識しました。最後の最後に、冷たくつきはなすセレム様が……。(ゲンリー、ショック受けてる場合じゃ無いよ、気がつけよぉ~涙、でも思うツボにはまってあげるのも結果的には愛かも)  最後のシーン、原作では描かれていない現代風 ... 続きを見る

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4幕6~8場を読了しました

 4幕6~8場はオリジナル展開ですね! セレム……。彼の冷静な判断と、根底に流れるゲンリーへの愛を感じます。原作より、セレムがゲンリーに対し能動的に「生きろ」と言っているようで、このオリジナル展開も大好きです。小説と戯曲、せっかく表現方法が違うのだから忠実になりすぎずに、書き手の主観やオリジナルがあった方が楽しいです。  戯曲難しいですね。実は学生時代、かっる~い気持ちで学生演劇のサークルに入り「脚本かきたいで~す」と言ってみたものの、全然書けず、そのうちピンスポットのスナイパーのような魅力に ... 続きを見る

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雰囲気のある朗読劇仕立て。

ル=グウィンだ!と思い訪問しました。 昔読んだけどほとんど忘れているみたい(笑)なので、初読のつもりで読み進めています。 チャットノベルで朗読劇仕立てにしてあるのが、雰囲気を盛り上げていると思います。

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さみしい(4幕5場まで読了)

過酷な氷原の旅から人里へ、ああ物語の終盤にさしかかっているなと感じます。 さみしさのあまり、私の心はまだ氷原を放浪中。 3幕からもう一度読み返して……さりげない昔話が氷の欠片のように心に突き刺さる。(泣) きっと完結しても、何度も何度も読み返すと思います。

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ああ、ここ。これが読みたかった!(第3幕第7場まで読了)

 原作ではぼかされていたこのシーン。重要なところだと思うのですが、存外にさらりと流されていてちょっとびっくりしました。ええ~知りたい、二人の心の機微が……、その苦しい夜はそれからどうしたのっ。これは「その夜の二人の様子を思い描いて」とばかりに、作者が読者に想像の翼を与えたって事なのかなと思っていますが、その手の想像力が皆無な自分は悶絶するのみでした。ああ、願いが叶った、うれしい。あ、たまに入るちょっとコミカルな味付けも、シリアスな展開のほっと一息になって好きです。

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2幕14場まで読了

 2幕に入って、あ、未村節だ(喜)と思われるフレーズが目立ってきました。なんだか台詞が生き生きしています。原作では日記の中で淡々と描かれる逃避行ですが、会話で読むと二人のこころの波立ちが際立ってドラマチックです。そして会話に時折挟まれる風景描写の絶妙なこと。ああ、最果ての浪漫だわ~~とうっとりです。  第14場ではいまかいまかと待ち焦がれたあの「詩」がとうとう! 簡潔ですが二人の旅路を追いながら読むと感無量です。  それにしてもあの東洋の娯楽がまさか出てくるとは! 原作でもびっくりしましたが ... 続きを見る

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第1幕まで読みました

 いきなりの急展開に引きずり込まれて、飛ぶようにページをめくってしまいました。読みやすいのにひとつひとつの言葉はとっても重厚でその奥にどこまでも広がる作品世界を垣間見せてくれます。この戯曲は日本語訳の原作本、約300ページの内だいだい2/3ぐらいのところから始まっていると思うのですが、前200ページの雰囲気が十分に濃縮されて伝わってくるのは感嘆を禁じえません。私もむか~~し、この話に感動し何を血迷ったかマンガのネーム(?)らしきものを描いてみたことがあるのですが、この前200ページをどうして良い ... 続きを見る

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凄まじく壮大なSF

今まで、自分には難しそうと思い未読だったSFです。こんなに面白い小説だったとは。私の琴線に触れる言い回しがたくさんあるので、気に入って読み返しています。(資料集もすごい世界観)。前から思っていたのですが、未村さんの言葉、文章って、本当に生き生きとした躍動感があるんですよね。未村さんの翻訳だから読みやすいのかもしれません。生前原作者と交流があったというようなびっくりする経歴の方に、こんな風にファンレターが出せちゃう、それがここの凄いところです。

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泣きそう

 第1幕第1場まで読んだ所で、感激で泣きそうになってしまいました。また、あの感動に違った形で会えるなんて!   第1幕第1場のあの感情を押し殺したような静謐な独白が、これから読者が知るだろう彼らの波乱に満ちた冒険の幕開けでした。以前、原作を最後まで読んでからまた最初に戻ってこの部分を読んで、独白が内包する凄まじい浪漫に悶絶した覚えがあります。ああ、この先が楽しみでたまりません。  もっと読んで感想を……とも思いましたがこの興奮をお伝えしたくて、書いてしまいました。

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