作品詳細

白い場所

73|社会・思想|完結|16話|44,893文字

聖書ラノベ新人賞, 現代物理学, 唯心論, コミュニケーション学, 汎神論, 理神論, 量子力学, エントロピー

キリスト教と現代物理学が融合した新感覚青春小説ここにあり!


 「町」から人として精神的に欠落していると判断され、幼少期に桑江は矯正施設「学園」に収容される。「学園」で成長し、青年と言える年になったとき現代物理学に精通する朝永という少女に出会う。
 あるとき、「学園」は「町」を支配する教会の修道女の一人である絹を誘拐する暴挙に出る。それから一週間、「学園」は籠城を行い「町」と明確に対立する。
 「町」との角逐の中、桑江は誘拐された少女に興味を持たず散漫と生活するが、朝永の紹介によって桑江と絹は面識を持つことになる。そして桑江は朝永からは現代物理学、絹からはカトリックの教えを学ぶようになる。
 なぜ自分が精神的に欠落しているのか常々疑問に思っていた桑江は現代物理学とキリスト教を統合して、その原因を探る試みを始める。そして人間の精神には不可知の領域があることを知った桑江は、ヨハネの黙示録を再現し、人間の知性を超えた領域から啓示を受けるためにLSDを使用する。

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なるほど、よくわかりました。

「これも神の隠された意思の一端である」と返し、ダンテを黙らせます――まるで、禅問答のようですね。都合が悪くなると、不可知、すなわち「神の隠された意思」に収斂させるのですね。雪げない原罪を人間に押し付け、それに代わってキリストが贖ったのだとすれば、もう人間は原罪を背負う必要もないのではないかとシロートは思います。でも、神学論者によれば、いろいろな解釈があるのでしょうね。 でも、こうした論議は面白いですね。学生時代に戻った感じで、久しぶりにコーフンしている岬です。

原罪を雪ぐ、について

>※また地獄を取り巻く場所として、辺獄があります。この場所は原罪を雪がないまま、亡くなった人間が行きつくところです。→この文章の「原罪を雪がないまま」の意味がわかりません。「雪」とは違うなにか別の単語が入るのでは? すみません、この個所の「地獄と辺獄」の解釈はダンテ『神曲』から引っ張ってきたものなので、「地獄篇」を読んでいないとよくわからないと思います。 ダンテ(率いて、ダンテが多大な影響を受けていたトマス・アクィナス)によると、煉獄は罪を持つもの、しかしその罪は雪ぎうる人間が送られる場 ... 続きを見る

謀らずも東大の安田講堂の攻防戦を憶い出してしまいました。

アカデミックな搭に在しながら、なおかつそれに抗して嘯いていた学生たちの不遜、そして傲慢が生んだ赤軍派の愚挙が、かくして崩壊したのかと思われるほど。学園紛争のバリケードの中で行われていた夜ごとの論争が、彼らのなかで不可知な永遠を求めて喘いでいた情念の世界がまたふたたび岬の脳裏を襲いました。純粋に知を求めて喘いでいた若き血潮がフェードアウトしてゆくとき、この小説のなかの「放火」のようになるものなのか、と……。 ※また地獄を取り巻く場所として、辺獄があります。この場所は原罪を雪がないまま、亡くな ... 続きを見る

時間の主観性の話

ハイデガーはフッサールの現象学から、直接影響を受けて「存在の問い」を展開しています。なので、二人とも時間に対しては(超ざっくりいうと)「時間に纏わりつく(これまでの)あらゆる定義を取り去る。そして、ただそこにある時間を「私」が見つめる。その経験を通して時間を再定義する」という立場を取っています。なので、この二人の時間に対する姿勢はそこまで解離しておらず、「時間の主観性」に対する引き合いとしては、どちらの名前を出しても大丈夫だと思います。 ただ、この小説で書いた「世界の終わり」が上記の偉人二人の ... 続きを見る

「黙示録について」を読みました。

「「学園」は「町」の一部だ。そして、「町」も世界のちっぽけな一部だ。「学園」が崩壊したところで世界は終わらない」「私が客観的な話ではなく、主観的な話をしていることはわかっているのでしょう?」 このふたりのやり取りは、岬にとってもっともリアルな「世界の終わり」です。時間というものがフッサール(ハイデッガー?。歳をとると、名前が憶い出せません)の言うように、主観的に存在する事象であるのなら、世界の終りもまた「個人の主観」に還元されるのではないか、と……。 余計なことですが、「しかし新天新 ... 続きを見る

ありがとうございます。

私は普段自分のページにコメントを書くのがないのですが、あまり反応がないのも不義理なので、書かせていただきます。 個人的には24歳のときに書いた、習作止まりの作品を読んでいただけることに嬉しさもありつつ、反面、面映ゆさもあります。 今の自分が読み返してみると、やはり論理展開や小説の技術に未熟さが目につきますが、それでも楽しんでいただければ幸いです。 コメントを残してはいませんが、岬さんの「ローレンス論」の方、追わせていただいております。コメントは評論が一区切りついてから、書こうと考えておりま ... 続きを見る

人間の心は愛の関数

面白いですね。ひとつひとつのことばをきいていると、それぞれに真実味を帯び、それぞれがF(x)のなかに放り込まれる。そこがおそらくカオスであり、諸悪の初端なのでしょう。つぎを読むのが楽しみです。

まるで、シシュフォスの神話のような……。

「学園」に編入してきてから、僕はずっとこの旧校舎の屋上で滑空機の製作を続けてきた。  そして滑空機が完成間近になると、今度は解体に取り掛かった。僕は滑空機の組み立てと解体を延々と繰り返していた。これが僕の日課だった。滑空機が空を飛ぶ日は永遠に来ないのだろう。 こういうキャラと構造を思いつく作者の器量に粘着性の予感が走ります。ますます興味が高まるばかり。つぎを読むのが楽しみです。あまりに早いと楽しみがすぐになくなってしまうので、ゆっくりと時間をかけて読ませてもらいます。第1話「町」への感想で ... 続きを見る

「世界の終わり」というタイトルに惹かれてよみました。

面白いです。議論のあり方が、その提示の仕方が哲学的で読ませてくれます。少なくともこの小説だけは、初めから読ませてもらおうと思います。遅筆なうえ、遅読な性質の人間なので、気まぐれに訪れたりしますが、あまり期待しないでください。どうやら、このコメント欄は該当話に対するコメントのようには読めないのですね。で、仕方なく見出しに「世界の終わり」という文字を加えてみました。

マジヤベェ

こんなものを聖書ラノベ新人賞に投稿する気ですか!!罰が当たりますぞ!!……めっちゃ好きですが!!

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