シキラク(色楽)
シキラク、それは天子に捧げる供物。少女たちの『共感覚』ストーリー。
【長編】
シキラク、それは天子に捧げる供物。
美しい音と色を紡ぐため、選ばれた少女たちは器(うつわ)を奏で続ける。
『共感覚』という祝福された才を持つ十三歳の少女、ケイカ。
友人、ライバル、そして『歌い手』の若者の登場――小さな変化はケイカの運命を少しづつ、本人も知らない本流へと導いていく……。
【世界観の説明】
共感覚とは、音を聞くと視界に「色」となって見えるという、実世界にもある力を言います。この「色」は共感覚を持たない一般人には見えません。
この力を持つ者が音楽を演じる時、音と色の特別な世界が生まれます。これを「シキラク=色楽」といい、使う特別な楽譜を「色譜(しきふ)」といいます。
このシキラクは、天子(てんし)という、皇位の人間に捧げる神聖行事に使われ、ケイカはそのシキラクの楽隊の候補者として、現在の学校でピアノを弾き、色を表現する術を学んでいます。
【前半のあらすじ】
学年進級の課題として、色楽で「恋」を表現しろと命じられたケイカ。恋愛経験のない少女は戸惑います。
悩む少女は偶然、さる老人と学校で出会い「歌い手」と呼ばれる少年に会うように導かれます。
彼――名前はトウマ――は、シキラクの世界では禁じられている行為、「歌」を通して自分を世に表現していました。
ケイカには彼が新鮮で、危険にうつります。けれども背徳な行いを何故か否定できない自分にも気づきます。
やがて二人はお互いに衝突しながらも、協力してひとりの老婆の心を動かす事に成功します。
その成功の体験がきっかけで、二人の距離は急速に縮まっていき――。
(続きは本編で)
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