パパがてんさいだった頃

作者 星海 元

[ファンタジー]

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 森川朝彦(あさひこ)は、9歳の息子・俊(さとし)の間に深い溝が出来つつあるのを感じていたが、毎年慣例の、京都の夏の風物詩、五山の送り火を二人一緒に見に行くことだけは、続けようとする。
 今年も大文字山を間近に望む小さな小山にやって来た父子。
 この山頂にある神社には、「ここは、大文字の日には決して通り抜けてはいけない。」
と言い伝えられる奇妙な形の鳥居があった。
 ここで、父から理不尽な叱責を受けた息子は、怒りのあまり、この禁断の鳥居を通り抜けてしまう。
 その先は、昭和56年の京都だった。
 
 親子の断絶と再生を描く物語。

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