デリバりマリアと終末世界

[ファンタジー]

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“どんなにか弱く小さな者でも、必ず必要としてくれる人がいる――”


太陽と月だけを残し空から星々が消え去った世界。“終末”を予見させる異変に際し、人々はどこか投げやりになりながらも変わらぬ日々を生きていた。

都内に住む大学生・優一は、引きこもりの音楽クリエイターである妹・仁子(にこ)と二人暮らし。ある夜、隣人からの騒音に耐えかねた優一が苦情をぶつけると、隣人のデリヘル嬢・真理亜が転がり込んでくる。彼女には触れた人間の性欲を減退させてしまう特殊能力があり、それ故に誰とも深い関係を持つことができずに悩んでいた。

酔って暴れる真理亜だが、仁子の楽曲を偶然耳にしたことで苦悩が和らぐ。「彼女の音楽が必要だ」と断じた真理亜。しかし仁子は彼女にまったく興味を示さない。仁子に明るさを取り戻したいと考えていた優一は、真理亜の専属ドライバー・頼夫や大学の友人・しえの助けを借りながら、凸凹な二人が仲良くなれるよう奮闘する――。

終わる世界に微かな希望をお届けする現代ファンタジー。

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