雨のコンチェルト

[恋愛・ラブコメ]

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7件のファンレター

その雨の夜、男は路地の片隅にへたりこみ、自分の足から流れる血が水溜まりを染めるのを眺めていた。
視界に赤い色が揺れ、男が反射的に銃を向けた時――
車のヘッドライトが、人形のように整った女の顔を照らし出した……。

ファンレター

ご無沙汰してます

すごく面白かったです! 三奈乃さんとハードボイルドとのつながりが、今まではあまりちゃんと見えていなかったのですが、これを読んで何だかすごく納得できたような感じです。なるほど、これが三奈乃さんの描くハードボイルドの世界! ドラマチックかつロマンチックなストーリー。また今回の文章は非常に映像が目に浮かび、雨音も聞こえるようでした。リアルに描けるというところが、さすが実力者の三奈乃さんだなあと改めて思います。 またそれぞれの登場人物の背景にまで自然に想像が及びますね。よく練られていて、見事です!

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ハードボイルド

のっけからの緊迫した空気に固唾を飲みながら、ラストまで一気に拝読しました。 雨の日に弱った生きものを見つけて拾って帰る、というのはよく聞く話ですが、それがこんな「大きな生き物」とは! 男とアンと伽耶、三人の会話が軽妙で、しかも地の文での説明がほぼないに等しいにもかかわらず、物語の世界観とそれぞれの置かれた状況がすんなりと理解できて、さすがは稀代のストーリーテラー南ノさん……! と感嘆いたしました(*´-`) 第3話での急展開にさらに息を呑み、そこで続けて明かされた情報に胸を衝かれて。 ... 続きを見る

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徹頭徹尾カッコいい!

 冒頭のシーン。光と闇と血の対比が凄惨で美しくて、映画のオープニングの様に脳内に再現されました。車の行きすぎるバシャーッという無機質な音も。これからの展開を予感させる印象的な文章でした。そして美女二人とハードボイルドな男のあざなえる縄のような因縁。なぜ紫苑に似ていたのか……偶然か、それとも。いろいろとドラマが浮かびます。極上の奥行きの深いSFを楽しませていただきました。

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雨音が聞こえるような

拝読して、最初から最後まで雨音が聞こえるように感じました。叩きつける強い雨から始まり、途中でやさしい雨音になって、また強い雨と風になって。そんな急・緩・急の三楽章形式の構成は、まさに「雨のコンチェルト」というタイトルにぴったりだなと思いました! 薄暗い入り組んだ路地に漢字のネオンサイン、生活感のあふれる雑多な街並みといった、映画「スワロウテイル」のようなアジア的都市を思い浮かべながら読みました^^ 「〇〇だったら、こんなにやさしいわけないじゃない?」「確かに、あんたは〇〇よりやさしいよう ... 続きを見る

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南ノさんの辞書には、どれだけの言葉があるのだろう……。南ノさんの作品を読むたび、初めて出会う素敵な言葉があります。意味を調べて、美しさにうっとりします。 こういった言葉とはどんなふうに出会われたのですか? これまでされてきた読書で……、または「言葉」というものを収集されているのだろうか……と、「南ノさんと言葉」に思いを馳せてしまいました。 タイトルや表紙の美しさに、まず読者として「心を整えて読みたい」と思いました。 今の私は頭がいつも以上に変になっているので、最初は「これは三人称……」「こ ... 続きを見る

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圧巻です!

かの名作「…は電気羊…」のような近未来SFなのに、たった5,000文字で世界観を確立させて、色んな物語をぶっ込んで、すごいとしか言いようがありません。 人間の感情の繊細さは、AIの解析で全ては解明されないところから、まだ初期の「ア………」という設定なのかもしれませんが、やがて学習を積み重ね人間の感情に近似していくと、人間とは? という本質的な問題提起に繋がっていきますよね。 森博嗣さんの「Wシリーズ」も少し想起しました。 すみません、どう書いてもネタバレになってしまいますね(大汗) ... 続きを見る

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濃厚な物語世界

ノンストップラブコメ、クラシックなミステリーアクション、爽やかな少女小説ときて、今回はハードボイルド! 南ノさんの引き出し多過ぎ~と思いながら読み進めたら…… ネタバレになるから言えないけど、第2話で世界観が見えだしてからは驚きの連続! 単なるハードボイルドではなかった……。 予定調和をことごとくかわされ、ひねりがあり、それが面白くて最後まで夢中で読みました。説得力があるので、没頭できます。 もちろん私好みのハードボイルドな台詞もたくさん! 一つ一つの会話がとても粋です。 そしてアンがす ... 続きを見る

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