蓋然性ではもの足りない

[ミステリー]

2

22,166

0件のファンレター

 かつて、「『将棋を指す』なんてレベルじゃない」と酷評されていたコンピュータ将棋。だが、その棋力は年々上昇し、プロ棋士並みの実力を持つのではと言われるようになっていた。そんな中、第一回・雷王戦の開催が決まった。いよいよ、プロ棋士とコンピュータ・ソフトの対戦が実現することになったのだが、対局当日の朝、ソフトを搭載したノートパソコンが金庫から消えるという事件が発生する。すぐそばの廊下にいた男は、パソコンを持ち出す人物など見ていないと言うが……対局の時刻が迫り、戸惑う関係者を前に、神束陽向《こうづかひなた》は、こんな事を言いだした。「ここに足りないのはシステム!」 (第一話「雷王の礎──密室論」)
 第二話以降も、とてつもなく理屈っぽい探偵役が、トリック論を振りかざして事件を解決していきます。そういった話がお好きな方は、ぜひともお付き合いください。

 ちなみに、第一話は数年前の某小説新人賞に応募し、最終選考に残ったものだったりします。受賞作と比較すると、入選作と落選作の違いがわかる……かも?

ファンレター

ファンレターはありません