あしぶね
望まぬ妊娠がテーマです。タイトルは、『国生み』というお話からきています。
『(国を生む時)男神と女神が柱を廻る向きが違い、女神が男神より先に声をかけて(口説いて)しまっため、ぶよぶよしたヒルのような子が産まれます。二人の神はあしぶねにその子を乗せ、遠くへ流してしまいました』
あしぶねは木の葉のような頼りないものではなく、大きく、しっかりした舟です。ちょっとやそっとでは沈みそうにありません。
その舟に乗せて子を捨てる。
望まない子(育てられない子)でも、それでも無事に育ってほしい、生きてほしいという願いからだと、私は感じました。そして、神様でも子供を捨てる、性役割への期待がある。
大昔から子捨ては特別なことではなく環境や状況次第で起きると感じ、それを念頭にこの物語を書きました。