時の忘れ物 - 28年目の同級生

[ミステリー]

2

44,687

0件のファンレター

あらすじ

小学校の同級生同士が結婚する。九年とちょっと前、そんな噂がキッカケとなって、どうせなら、クラス会を開こうとなった。それ以降、毎年十月の第三土曜日に開かれ続け、そして今や、クラスを飛び越えた同期の会へと進化している。
そんなキッカケを作った二人、向井幸喜と美津子夫婦の間には、ここ数年、不穏な空気が漂っていた。そんなところに、やはり同級生だった坂本由子から、幸喜は何やら不思議な話を聞かされるのだ。
「矢野直美って、覚えてる?」
そう言って彼女は、忘れ去っていた過去を話し始める。
六年生の夏休み明け、直美は二度と、学校に出てこなかった。
「先生がなんて言ってたか覚えてないけど、あれって絶対、転校じゃなかった」
 そうしてさらに、そんな事実は、妻である向井美津子にも飛び火して……。
直美はたった十五歳で死んでいた。さらに美津子は直美に向けて、「安心して死んでちょうだい」とまで口にしていたのだった。
いったいどうして? 
自分は、彼女の死にまで関係するのか? 
そんな過去の記憶に苦しんでいる頃、幸喜と仲の良かった同級生、本田幸一が大事故を起こす。そんなことから、次々と過去の真実が明らかになり、それらは新たな旅立ちだけでなく、あるはずのなかった……狂気をも生み出してしまうのだ。

ファンレター

ファンレターはありません