リ・アトランティス3.11 Re:Atlantis 3.11

作者 橋口武史

東日本大震災で被災した真帆は、臨死体験でアトランティスの記憶を思い出す

 理系の大学生八木真帆は東北で、東日本大震災に遭った。沖合いへと流された真帆は死の淵に瀕し、意識を失った。臨死体験の中で、真帆はアトランティス時代のマリス・ヴェスタという女性の前世を生きていた。マリスは、アトランティスでクーデターを起こしたシャフト評議会の一員だった。数奇な運命から、クーデター政権樹立後のレジスタンス組織「焔の円卓会議」のメンバーとなって巨大権力シャフトと戦うことになる。だがそれは、シャフトによる二重スパイとしてのミッションだった。
 アトランティスを牛耳るシャフトは、宿敵ヘラス共和国との戦に勝つために、帝都アクロポリスの中枢の魔法石・ツーオイの軍事利用を検討していた。だがそれが生み出す膨大な破壊エネルギーは、想定外の致命的副作用を国土に及ぼす危険があった。そこで焔の円卓の騎士たちは、これから起こるツーオイ石の事故を阻止するべく、最後の決戦で帝都の再奪還を試みる。
 それは、夢と現実、意識と無意識の間を行き来する八木真帆の生に影響を及ぼし、大震災でのサバイバーとしての生きる力を与えていく。真帆には、臨死体験の中のツーオイ石が次第に原発事故とシンクロしていくように感じられていった。
 同じことが何度も繰り返されている。過去、幾多の文明が同じ事を繰り返してきたのか。そして真帆、マリス・ヴェスタの意識の中に、それが刻まれてきたのか。遂にマリス・ヴェスタはその答えを得るべくツーオイ石へとアクセスを試みる。それは真帆と地球の、さらなる歴史の、意識の深層へとたどり着く、長く果てしないヱデンの園への旅路の始まりだった。

プラトンとE・ケイシーのアトランティス物語を素材に、光瀬龍作、萩尾望都マンガ化の「百億の昼と千億の夜」にインスパイアされた作品。

※第一話の挿絵は、Ntgh.mkさんです。(順次公開予定です)
 表記のない挿絵は、自作です。

旧版をカクヨムで公開。

本を出しました。
「音魂よ、舞い上がれ! ① 天宇受売ノ命の岩戸開きフェス編」アセンド・ラピス
2019年2月25日発売です。

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