shura  わたしはあなたを許さない

作者 根本起男

[ミステリー]

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 銀行のエレベーターが急停止した。乗り合わせたのは、経営企画室次長の笛吹ら四人。スピーカーから声が聞こえる。「笛吹が持つ紙袋に入れたスマホのメルアドを教えろ」。笛吹は青ざめる。紙袋にはスマホが起爆装置となる爆薬が入っていた。笛吹は、暴力団の資金洗浄に手を貸しており、それを知った部下を爆殺しようとしていたのだ。
 おなじころ山形の山中では、電子機器会社の副社長・白石が、下請け工場の社長で中学の同級生でもある夏崎と遭難していた。夏崎は白石を連れまわすように山中を彷徨する。
 笛吹が爆弾を使うことは、アラブのテロ組織に潜入する捜査官のサナエがつかんでいた。彼女は以前、組織に家族を殺され、復讐のために潜入捜査官となっていた。笛吹を追うサナエは、笛吹が家族を殺した犯人を知っていることをつかむ。都心と地方の山中で起きる同時進行のサスペンスのなか、サナエはとてつもない事件の真相に迫っていく。

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