パペット・チルドレン

スモッグに覆われた、星の見えない空。
魚のいない、毒の海。
強酸の雨に冒された、海底に沈みゆく大地。

過去の戦争によって衰退し、汚染の進んだ臨海の国に、
《天使》と呼ばれる、ふたりの少女がいた。
《天使の種子》と称される『寄生する機械』を移植され、
死なない体をもつ彼女たちは、『平和のための兵器』として、
未だ各地に残る『戦争のための兵器』を回収していく。
大人たちの下で、日々、淡々と命令を受けながら。

一方、国を統べる《教会》から逃亡を続ける、ひとりの少年がいた。
国中を転々としながら、彼は数々の『終焉』に立ち会っていく。

互いに回りつづける歯車が噛み合うとき、
その先にあるものは、滅びか、それとも――

死にかかった世界に生きる、死なないこどもたちの物語。
退廃的SF&ファンタジー小説です。

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