とことわのくに

作者 祈Sui

 とことわのくに【常永久の国】—————— 海の向こう、或いは地の底に存在するとされる異界。永遠に変わる事の無い楽園。

 大戦と呼ばれる機械人形との全面戦争から一世紀。
辛うじて勝利を収めた人類は、その代償として所有していた技術の大半と人口の半分。そしてなにより膨大な記録を失った。
 結果として、人類は自らの被造物である機械人形が反旗を翻した理由すら分からなくなり、世界には大戦の爪痕と、大戦以前の遺構。そしてそこから採掘される失われた技術群が残る事になった。

 現在、人形技術と呼ばれるその失われた超技術群は、経済から軍事、福祉に至るまであらゆる分野に影響を与え、それを所持する国家と世界のバランスを形成している。

 そんな時代。世界で唯一、完全な形で残った人形技術時代の巨大な地下都市を擁する皇国は、残された地下都市の採掘によって莫大な量の人形技術を取得し、それによって異国からの外圧に抗しながら繁栄していた・・・・・。

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