永遠に咲く花

[その他]

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「永遠に咲く花があったらいいのに」
名前も知らない人から差し出された一輪の花。瑞希はその花から目をそらし、駅構内の黒っぽい石質の床を見ながら、ぽとりと言葉を落とした。

日常生活にこれといった不満はない。けれども三十歳を前にして、知れず言いようのない気持ちが瑞希の心を占める。

「切り取りたいと思う一瞬があったなら、それは永遠なんですよ」
彼はそう言うけれど、自分の人生に、切り取りたい瞬間なんてあっただろうか。

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