二千字で本格推理っぽい話を書く方法

作者 宮島荘永

[ミステリー]

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“僕”は三題噺3に取り組んでいた。得意なジャンルがミステリなのでそちらに寄せるとしたら、「足跡」は足跡なき殺人で決定。となると、ぬかるんだ泥や均された砂地より、雪の方が絵になる。雪は冬だから浴衣とは正反対だけど、そこを逆手にとってこれも謎にしちゃおう。真冬に「浴衣」を着て出掛けるなんて、普通はないもんな。残るは「ベース」か。ベースと言えば楽器か野球……犯行現場が野球のグラウンドってことにすればつながるぞ。よし、土台はできた。
さて、肝心のトリックをどうしよう……。

ファンレター

はじめまして

レターを失礼しますm(__)m
実は、数日前に御作の【その読み、当たってる?】も楽しく拝読しました。
私も言葉遊びを題材にした掌編を時々書いていますが、どうしても「ネタ」を優先にした、取ってつけたようなストーリーになってしまいます。
その点、御作は物語そのものも素晴らしく、ネタに強引に合わせたような齟齬もなく、完成度の高さに感服しました。

でもって、こちらの作品!
こういうメタフィクションを、このペースで展開していくと、2000文字でどうやってまとめるのだろう? とハラハラドキドキ、少しヒヤヒヤもしながら読み進めていたら、まさかのオチに笑ってしまいました^ ^
本当にお上手ですね!
文章そのものも簡潔なのに、機械的な感じもなくて、書き手としてもすごく勉強になる二作品、ありがとうございました!

返信(1)

はじめまして。
拙作を二つも!読んでくださり、ありがとうございます。また、過分なお褒めのコメントに感謝しますとともに、恐縮至極です。

言葉遊びは私も好んで使う題材ですが、やはり人工的になりがちで。登場人物にしても一人を言葉遊び好き、パズル好きに設定するのが手軽でよく用いるものの、毎度これだと芸がないなーと自分でも感じてしまう……。
その点、今回はお題がぴたっとはまってくれました。いつもこの調子で閃くよう、研鑽の日々。(^^;

文章の簡潔さは、もしかすると二千字に収めようと削った結果かもしれず(汗)。自分の武器だと胸を張って言えるよう、身に付けたいものです。

最後に繰り返しになりますが、本当にありがとうございました。